舟渡国際法律事務所

入管法24条4号ヌの構造解説|不法就労助長と退去強制、そして「保護法益」から考える

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入管法24条4号ヌの構造解説|不法就労助長と退去強制、そして「保護法益」から考える

入管法24条4号ヌの構造解説|不法就労助長と退去強制、そして「保護法益」から考える

2026/06/02

入管法24条4号ヌの構造解説|不法就労助長と退去強制、そして「保護法益」から考える

退去強制事由を定める入管法24条は、号ごとに構造が異なります。本記事は、外国人を不法就労させる側に関わる類型を念頭に、同条4号ヌ(不法就労助長)の構造を解説し、さらに「どの利益を守るための規制か」という保護法益の視点から、この問題を整理いたします。やや専門的な内容ですが、できるだけ分かりやすくお伝えいたします。

入管法24条4号ヌとは

入管法24条4号ヌは、他の外国人に不法就労活動をさせるなどした者を退去強制事由とするものでございます。これは、不法就労助長罪(入管法73条の2)と表裏の関係に立ち、雇う側・あっせんする側の責任を問う規定でございます。

ここで重要なのは、同じ「退去強制」でも、号ごとに着目する事情が異なる点でございます。4号リが刑の重さ(無期又は1年を超える拘禁刑)に着目するのに対し、4号ヌは不法就労をさせた行為そのものに着目いたします。当該事件がどの号に当たるのかを正確に見極めることが、弁護の出発点となります。

「保護法益」から考えるとは

規制を理解するうえで有用なのが、「その規制は、どの利益を守るためにあるのか」という保護法益の視点でございます。不法就労助長の規制は、出入国管理の秩序という社会的な利益を守るものと位置づけられます。

被害者個人の財産や身体を侵害する類型(個人的法益)とは異なり、社会的法益を守る類型では、示談や被害弁償だけで反社会性が解消されるわけではございません。だからこそ、行為の経緯・認識・更生環境などを多面的に主張する必要がございます。罪名の表面的な異同ではなく、保護法益の異同で考えることが、的確な弁護につながります。

退去強制事由と故意・過失(係争中の論点)

入管実務では、退去強制事由は故意・過失を要件としないとの運用が長年踏襲されてまいりました。しかし、不法就労助長の場面でいえば、雇う側が不法就労者であることを認識していたか、過失があったかは、本来きわめて重要な事情でございます。

認識を欠く、あるいは刑事責任が問われない事案についてまで一律に退去強制が及ぶことは、責任主義の射程という憲法上の問題をはらみます。松村大介弁護士は、まさにこの論点を正面から問う訴訟を現在係争中でございます(過剰な一般化は避け、現在進行形の議論としてご理解ください)。

実務上の心構え

この類型では、刑事手続の段階から、不法就労者であることの認識(故意)や過失の有無を徹底して争うことが、後の入管手続での主張の基礎ともなります。執行猶予判決でも退去強制に至り得るため、起訴前段階での不起訴の獲得が決定的に重要でございます。

刑事と入管を切り離さず、一体の戦略として組み立てることが、在留を守るうえで欠かせません。

当事務所のご案内と解決事例

当事務所は、不法就労助長を含む入管関連事件に、保護法益の視点と憲法的視座をもって取り組んでまいりました。

冤罪により不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に瀕した女性の救済では、「退去強制事由には故意・過失が不要」とする従来の実務を覆すべく、責任主義の射程を問う訴訟を現在係争中でございます。

また、在留資格を喪失して逮捕・起訴された依頼者について、過去の許可事例を分析し、難関とされた在留特別許可を獲得した事例もございます。

裁判員裁判対象事件や世界的に報道された重大事件への対応経験も豊富でございます。

当事務所では、松村大介弁護士が全工程を直接担当し、中国語専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格手続も、提携の行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

退去強制の問題は、号ごとの構造と保護法益を踏まえて考えることで、争うべき点が見えてまいります。とりわけ故意・過失をめぐる論点は、刑事の段階からの備えが将来を左右いたします。お困りの際は、早い段階でご相談いただければと存じます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。

過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

 

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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