入管法24条4号ロ・ハの構造|不法残留と資格外活動の退去強制事由を詳しく解説
2026/06/01
入管法24条4号ロ・ハの構造|不法残留と資格外活動の退去強制事由を詳しく解説
(本記事は2026年6月時点の情報に基づきます)
1. はじめに|号ごとに精査する必要
退去強制事由は、ひとかたまりの漠然としたものではなく、入管法24条の各「号」ごとに別々に定められており、その構造は号ごとに異なります。世間ではしばしば各号がひとくくりに語られ、かえって判断を誤らせます。本記事では、在日の外国人の方と関わりの深い4号ロ(不法残留)と4号ハ(資格外活動)に絞り、その構造と対応の道筋を整理いたします。
2. 4号ロ|不法残留(オーバーステイ)
有効な在留資格をお持ちの方が、在留期限を過ぎてなお在留されますと、入管法24条4号ロの不法残留に該当しうるところとなります。拘禁刑の判決を前提とする4号リとは異なり、不法残留は刑事処分を前提とせず、期限を過ぎたという客観的な事実だけで成立しうるものでございます。
もっとも、発覚の経緯は、その後の在留特別許可の判断において、たいへん重要でございます。みずから出頭して申告された場合は、摘発された場合に比べて、有利に斟酌されるのが通常でございます。早めにご相談になり、出頭の仕方を整えることが、ご本人を守る大切な一歩でございます。
3. 4号ハ|資格外活動
在留資格をお持ちの方が、その資格に対応しない収入活動(留学生の方の時間超過のアルバイト、就労資格の方が別の事業を営む場合など)に従事されますと、入管法24条4号ハの資格外活動に該当しうるところとなります。これは、入管法73条の資格外活動罪とは別に、退去強制と刑事処分という二つの判断に分かれます。
ここでの要点は、活動の実態と認識の程度でございます。営業としての形をとっていたか、資格の範囲を超えると知っていたか、といった点が評価を左右いたします。刑事の段階からこうした事情を整理することは、後の入管手続にとっても基礎となります。
4. 4号リ・チとの対比
4号リは「無期又は1年を超える拘禁刑」を要件とし、執行猶予が全部付された場合の除外がございます。4号チは薬物犯罪について刑の重さを問いません。これに対して、4号ロ・ハは、客観的な残留・活動の事実を基礎とすることが多く、刑事処分を必ずしも前提といたしません。
号ごとに構造が異なるからこそ、「執行猶予さえつけば一律に安全」「薬物は微罪なら大丈夫」といった大づかみな言い回しは、いずれも危ういものでございます。個別の事案について関係する号を見定め、その構造に沿って主張を組み立てる必要がございます。
5. 対応の核心|出頭の仕方と在留特別許可
4号ロ・ハの事案では、発覚の経緯と出頭の仕方が、その後の行方を大きく決めます。ご家族との関係、在日期間、素行、税・社会保険の納付などの有利な事情を早く整理し、入管当局の公表する許可事例を参照することで、在留特別許可の主張の基礎を築くことができます。
また、退去強制事由の判断にも故意・過失を要件とすべきではないか、という論点は、松村大介弁護士が現在係争中の論点でございます(当事務所の事例D-2)。これは現在進行形の議論であり、本記事では過剰な一般化はいたしません。
6. 当事務所のご案内と解決事例
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の依頼者を中心に、外国人刑事弁護の分野で経験を重ねてまいりました。
・観光目的で来日された相談者が日本人女性との間にお子様を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案で、婚姻・認知の手続を成立させたうえ、入管当局の過去の許可事例を分析し、難関とされた在留特別許可を一度で獲得した事例がございます。
・冤罪により不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に瀕した女性を救済するため、『退去強制事由には故意・過失が不要』とする従来の実務を覆すべく、責任主義の射程を問う訴訟を現在係争中です。
・特殊詐欺の出し子に関わったとされた20代女性について、指示役からの欺罔・脅迫的状況や犯意の不存在を総合的に主張し、不起訴処分を獲得した事例がございます。
当事務所は、入管法の各号の構造を一つずつ精査し、入管当局の公表事例を参照しながら、個別の事案に即した主張を組み立ててまいります。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。あわせて、提携の行政書士により、刑事手続終了後の在留資格の更新・変更等にもワンストップで対応いたします。
万一、強制送還の手続に進んでしまった場合にも、在留特別許可の獲得実績を踏まえて対応いたします。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更につきましても、提携の行政書士とともにワンストップでお手伝いいたします。接見・取調べの立会い・お打合せには、いつでも中国語通訳がご一緒いたします。
6. 結語
退去強制事由は号ごとに精査してこそ、世間の大づかみな言い回しに惑わされずに済みます。4号ロ・ハの事案では、出頭の仕方と在留特別許可の組み立てが、ことに重要でございます。ご不安がございましたら、どうか個別の事案について入管法に通じた弁護士へご相談ください。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。
過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京を中心に刑事事件の弁護
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