入管法24条4号リ「1年を超える拘禁刑」要件の構造|執行猶予の除外規定を正確に読む
2026/05/31
入管法24条4号リ「1年を超える拘禁刑」要件の構造|執行猶予の除外規定を正確に読む
(2026年5月時点の情報に基づく一般的な解説です。条文の解釈には個別の検討が必要でございます。)
外国人の刑事事件で最も重い結末が、退去強制(強制送還)でございます。その入口となる条文が入管法24条でございますが、各号は構造が異なり、「執行猶予が付けば必ず安全」「罰金なら必ず安全」と一律に語ることはできません。本記事は、退去強制事由のうち実務で問題となることの多い4号リを取り上げ、その構造を正確に読み解くことを試みます。
4号リの基本構造
入管法24条4号リは、退去強制事由として「無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者」を定めております(条文は e-Gov 法令検索で確認できます)。ここで重要なのは、刑期の基準(1年を超えるか)と、執行猶予の有無という二つの軸でございます。
令和4年改正刑法(令和7年6月1日施行)により、従来の二種類の自由刑が「拘禁刑」へと一本化されました。本記事では現行法の用語として「拘禁刑」を用いております。
執行猶予の除外規定をどう読むか
・刑期の基準:宣告刑が1年を超えるかどうかが一つの分かれ目でございます。実刑であれば、原則として退去強制事由に該当し得ます。
・執行猶予全部の場合:4号リには、刑の全部の執行猶予を受けた場合の除外規定がございます。すなわち、1年を超える拘禁刑でも全部執行猶予が付けば、4号リによる退去強制は原則として回避され得ます。
・一部執行猶予との違い:刑の一部執行猶予の場合は扱いが異なり得るため、宣告の内容を正確に確認する必要がございます。
他の号との関係に注意する
4号リだけを見て安心することはできません。薬物関係では4号チが、刑の軽重を問わず退去強制事由となり得ます。資格外活動や不法残留には別の号が対応いたします。さらに、退去強制を免れても、在留資格の更新拒否・取消し(入管法21条・22条の4)という別のリスクが残ります。号ごとに、罪名・刑期・在留資格を一つひとつ精査することが欠かせません。
当事務所は、退去強制事由の判断に故意・過失の検討が及ぶべきではないかという論点を、現在係争中の事案で正面から問うております。条文の文言を超えて、責任主義の射程という憲法的視座から制度を問い直す取組みでございます。
当事務所のご案内と解決事例
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士が入管法各号の構造を一つひとつ精査し、刑事と在留を一体でとらえる弁護方針を採ってまいりました。
入管法違反で在留資格を失い不法滞在に至った依頼者について、過去の許可事例の分析等を通じて難関とされた在留特別許可を獲得した実績がございます。また、退去強制事由における故意・過失要件論を正面から問う事案を係争中であり、従来の入管実務の枠組みそのものを問い直しております。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得など、刑事弁護における事実分析力も有しております。
当事務所では、松村大介弁護士が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格更新・変更等も、提携の行政書士と連携して対応いたします。
結語
入管法24条は、号ごとに構造が異なる繊細な条文でございます。「執行猶予なら安全」という一律の理解ではなく、宣告刑の内容と該当する号を正確に読み解くことが、在留資格を守る出発点でございます。条文の精査と、その背後にある原理への問い直しを、依頼者の権利のために続けてまいります。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野としております。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有しております。
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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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