暗号資産(仮想通貨)の投資詐欺に関与したとして逮捕されたら|在留資格を守る視点から
2026/05/31
暗号資産(仮想通貨)の投資詐欺に関与したとして逮捕されたら|在留資格を守る視点から
(2026年5月時点の情報に基づく一般的な解説です。)
SNSやマッチングアプリを通じて高利回りをうたう投資話に勧誘し、暗号資産を送金させてだまし取る。こうした投資詐欺の摘発が各地で続いております。報道では、被害者に電話やチャットで応対する役割、口座やウォレットを提供する役割など、組織が役割を細分化していた事例も伝えられております。
こうした事件では、知人から「中国語ができる人を探している」「口座を貸してほしい」と頼まれて関わってしまい、自分が詐欺の一端を担っていたと後で知る、という方も少なくありません。本記事は、暗号資産がからむ詐欺事件で逮捕された中国籍のご本人とご家族に向け、刑事と在留の両面から要点を整理いたします。
逮捕後に想定される刑事手続の流れ
問われ得る罪名は、詐欺罪(刑法246条、10年以下の拘禁刑)のほか、他人名義口座の譲受け等による犯罪収益移転防止法違反、組織性が強ければ組織的犯罪処罰法違反などでございます。
逮捕から48時間以内に検察官送致、24時間以内に勾留の判断という流れは他の事件と同様ですが、暗号資産事件では送金履歴やチャットログなど客観証拠が多く、取調べが長期化しやすい傾向がございます。だからこそ、初期の供述の取り方が後の見通しを左右いたします。
外国人事件特有の「強制送還」リスク
詐欺罪で実刑となれば、入管法24条4号リ(無期または1年を超える拘禁刑)に該当し、退去強制の対象となり得ます。被害額が大きい投資詐欺は刑が重くなりやすく、執行猶予が付かなければ在留資格は失われます。
仮に執行猶予が付いた場合でも、在留資格の更新時に「素行不良」と評価されるリスクが残ります。刑事処分の軽重だけでなく、入管がどう評価するかまでを見据えた一貫した戦略が必要でございます。
なぜ「不起訴処分」が決定的なのか
在留を守るための最も確実な道は、起訴前の不起訴処分の獲得でございます。投資詐欺の役割関与型では、ご本人が詐欺の全体像をどこまで認識していたか、未必の故意があったといえるかが争点になります。
「口座を貸しただけ」「翻訳を手伝っただけ」という認識と、組織が描いた構図との間のずれを、客観証拠に即して丁寧に主張することが重要です。被害弁償・示談が可能な場合には、これも不起訴・量刑の双方で大きな意味を持ちます。
初動で押さえておきたい3つのポイント
・黙秘権の行使:チャットや送金の意味づけを、誘導されるまま認めてしまわないこと。記憶があいまいな点は無理に断定しないことが大切です。
・早期の弁護人選任:客観証拠が多い事件ほど、弁護人による証拠の読み解きと方針決定を早く始める必要がございます。
・経験ある通訳の確保:専門用語や金銭のやり取りのニュアンスを正確に訳せる通訳でなければ、供述調書が不正確になりかねません。
当事務所のご案内と解決事例
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士が中国籍の依頼者を中心に、詐欺をはじめとする財産犯の刑事弁護に取り組んでまいりました。
受け子として複数回再逮捕された詐欺事案でも、徹底した取調べ対応と主張立証によって全件不起訴を獲得した実例がございます。また、詐欺被害者側の事件ではございますが、卸業を営む依頼者の取り込み詐欺被害について、刑事告訴を端緒に相手方を特定し、被害額を大きく上回る7,500万円の解決金を獲得した実績もございます。示談・被害回復の交渉力は、加害者側・被害者側のいずれの立場でも結果を左右いたします。
将来の入管手続を見据えた活動も重視しております。当事務所は、不法就労助長の事案で強制退去の危機にあった女性について、退去強制事由における故意・過失の検討を求めて係争中であり、刑事と入管を一体でとらえております。
なお、当事務所では松村大介弁護士が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格更新等も、提携の行政書士とともにワンストップで対応いたします。
結語
暗号資産がからむ詐欺は、技術的にも法的にも複雑で、ご本人の認識と組織の構図のずれが見えにくい類型でございます。早い段階で証拠を読み解き、不起訴を見据えて動くことが、在留資格と将来を守る最善の備えとなります。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野としております。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有しております。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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