舟渡国際法律事務所

入管法24条4号「チ」薬物関係条項の構造解読|「刑種を問わない」条項の射程と外国人薬物事件

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入管法24条4号「チ」薬物関係条項の構造解読|「刑種を問わない」条項の射程と外国人薬物事件

入管法24条4号「チ」薬物関係条項の構造解読|「刑種を問わない」条項の射程と外国人薬物事件

2026/05/28

入管法24条4号「チ」薬物関係条項の構造解読|「刑種を問わない」条項の射程と外国人薬物事件

 

一、本記事の問題意識

外国人薬物事件の実務において、最も多く誤読される条文として、入管法24条4号「チ」を挙げるべきと考えております。同号は、外国人が麻薬・大麻・あへん・覚醒剤・薬機法等の違反により刑事処罰を受けた場合に退去強制事由となる旨を規定しますが、その細微な構造は、他の号(特に4号「リ」)と対照することで初めて特殊性が浮かび上がります。本記事は、同号の構造への深い読み込みを行うものです。

二、4号「リ」と4号「チ」の対照

**4号「リ」**:無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者。同号には二つの限定がございます。(a)「拘禁刑」に限定される、罰金刑は該当しない。(b)「1年を超える」刑期に限定される、短期拘禁刑は該当しない場合がある(執行猶予全部の事案には除外規定がございますが、ここでは詳述いたしません)。結果として、4号「リ」の射程は比較的重い刑事処罰のみに及びます。

**4号「チ」**:列挙された薬物関係法律の違反により刑事処罰を受けた者。同号には**刑種・刑期のいかなる限定もございません**。結果として、罰金10万円、執行猶予付き短期拘禁刑、1年未満の拘禁刑、いずれも一律に退去強制事由となります。

三、4号「チ」が列挙する法律の範囲

4号「チ」が明確に列挙する法律は、あへん法、大麻取締法、麻薬及び向精神薬取締法、覚醒剤取締法、麻薬特例法です。**薬機法(医薬品医療機器等法)違反**も、実務運用上、同範囲内と解されてまいりました。**関税法の輸入禁制品輸入罪**(麻薬・大麻等を対象とする場合)も、実務上、4号「チ」と連動して適用されます。すなわち、海外からの薬物密輸の関税法事案も、同号の視点からは逃れる余地がございません。

四、「故意・過失を要件としない」解釈と当事務所の争い

実務上、入管庁の立場は、「退去強制事由該当性は、行政処分の観点から判断するものであり、故意・過失を要件としない」というものでございます。すなわち、刑事手続で故意を完全に否認した場合であっても、客観的な処罰事実(刑事処罰を受けた事実)さえあれば、4号「チ」の該当性が認められるとされてまいりました。

この実務に対し、当事務所の松村大介弁護士は、長年憲法的観点から疑問を投げかけてまいりました。憲法31条の適正手続保障、憲法13条の個人の尊重、憲法14条1項の平等原則、いずれも「責任なくして処分なし」という責任主義の射程が、退去強制等の重大な行政処分にも及ぶことを要請する、との主張です。当事務所が代理する事例D-2は、まさにこの論点を正面から提起する係争中の訴訟でございます。

五、外国人薬物事件への実務的含意

上記構造の外国人薬物事件への実務的含意は、次のとおりでございます。(a)「執行猶予で足りる」「罰金で足りる」との目標設定は、外国人ご依頼者にとって**実質的に強制送還の現実化を意味する**こと。(b)真の目標は常に**不起訴処分(起訴猶予)**であり、これは「刑事処罰を受けた事実」自体を入り口から排除するものであること。(c)不起訴処分の獲得は、接見初動段階からの検察官との協議、意見書の提出、客観的証拠の整理を要求し、この工程の成否が、在留資格を守れるか否かに直結すること。

六、当事務所の弁護方針と解決事例

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、依頼者ご本人のために動く通訳をご利用いただけます。

薬物事案では、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)事案において、徹底した証拠分析と被告人質問・反対尋問の深い展開により、**無罪判決を獲得**した実績がございます(事例A-1)。同事案は裁判員裁判対象事件であり、当事務所の実績は複数のメディアで公開されております。

退去強制事由の故意・過失要件論については、冤罪で起訴され強制退去の危機にある女性の事案について、「退去強制事由の判断にも故意・過失要件が必要である」との主張を展開する訴訟を係争中(事例D-2)でございます。この論点は入管実務において前例のないものであり、責任主義の射程を行政処分に及ぼす試みでございます。当事務所は、同事案系列において、入管庁の前例にない在留特別許可の獲得も達成しております。

万一退去強制手続に進んだ場合も、当事務所では短期滞在で来日された依頼者で日本人女性とのお子様を授かった事案について「1発で在留特別許可を獲得」した実績(事例D-1)がございます、入管庁公表の過去許可事例の精密な分析により、憲法14条1項平等原則の主張を構築いたしました。

結語

入管法24条4号「チ」の「刑種・刑期を問わない」構造は、外国人薬物事件で最も過小評価される危険な条項でございます。同号の精読は、ご依頼者ご本人・弁護人いずれにも不可欠でございます。当事務所は、今後も個別の弁護活動と係争中の訴訟を通じて、責任主義の射程を同重大な行政処分にまで及ぼす努力を続けてまいります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

当事務所の最大の特徴

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行は行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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