舟渡国際法律事務所

「自白すれば早く出してもらえる」という誤解|外国人事件における黙秘権の正しい使い方

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「自白すれば早く出してもらえる」という誤解|外国人事件における黙秘権の正しい使い方

「自白すれば早く出してもらえる」という誤解|外国人事件における黙秘権の正しい使い方

2026/05/28

「自白すれば早く出してもらえる」という誤解|外国人事件における黙秘権の正しい使い方

 

一、問題意識と本記事の目的

「認めれば早く出られる」「素直に話せば軽くなる」、警察の取調べで被疑者の方が最も多く聞かされる誘導の一つでございます。この言説には軽微事案(微罪処分)の場面で部分的に真実を含むこともあるのですが、**外国人事件においては、無条件の「自白有利論」は危険な誤解**でございます。本記事は、この誤解への構造的な批判をお届けするものです。

二、自白が外国人事件で特に不利になる理由

自白の外国人事件に対する特殊な不利益は次のとおりです。(a)拘禁刑1年以上の事件では、自白は概して重めの求刑を受け容れることを意味し、拘禁刑1年を超える判決はそのまま退去強制事由(4号「リ」)となります。(b)薬物関係・不法就労助長関係事件では、**自白そのものが退去強制と直結**します(4号「チ」「ヌ」は刑種を問わないため)。(c)調書はいったん作成されると修正が極めて困難であり、中国語通訳が不正確な場合、「私は知らない」が「私は知っていた」と訳されて残るリスクがございます。

三、黙秘権と「不利益供述拒否権」の憲法上の地位

憲法38条1項は「何人も自己に不利益な供述を強要されない」と規定し、不利益供述拒否権を憲法上保障しております。刑訴法198条2項も、警察取調べの前に「供述拒否権」の告知を義務づけております。しかし実務では、警察取調べでこの権利が形式的に告知された直後、「認めれば有利」との誘導でその効力が骨抜きにされる場面も少なくありません。

当事務所の立場として、憲法38条1項の不利益供述拒否権と刑訴法198条2項の黙秘権告知は、国家が恣意的に削弱できない基本的人権です。外国人ご依頼者には、通訳の微妙なズレと心理的圧力による調書の不利な残留を防ぐため、この権利を積極的に行使していただく必要がございます。

四、黙秘権の正しい行使の実務的方法

黙秘権は「完全に沈黙する」という機械的方針ではございません。当事務所の実務的方法は次のとおりです。(a)弁護人の接見後、依頼者とともに、説明可能な客観的事実(氏名・住所・職業等)と判断を留保すべき核心事実(犯意・認識・組織関係等)を区分しておく。(b)核心事実については、警察に「弁護人と協議してから回答したい」と明示する。(c)取調べ中に警察が誘導(「認めれば早く帰れる」等)を行った場合、「応じない」旨を明示する。(d)毎回の取調べ後、弁護人と調書内容を確認し、不正確な部分を訂正する。

五、初動対応で押さえておきたい三つのポイント

第一に、逮捕の第一瞬間から、**核心事実について「弁護人と協議したい」との姿勢を保つこと**、事実関係が明確な事件であっても、まず弁護人と協議した上で供述戦略を決定すべきです。第二に、**当番弁護士・私選弁護人の速やかな選任**。第三に、**独立した中国語通訳の介入を確保すること**、警察側通訳の訳出が、調書に不利な形で残ることがございます。

六、当事務所の弁護方針と解決事例

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、接見の現場で警察側通訳の訳出を即時に確認し、不利な残留を訂正することが可能です。

薬物事案では、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)事案において、徹底した証拠分析と被告人質問・反対尋問の深い展開により、**無罪判決を獲得**した実績がございます(事例A-1)。

特殊詐欺事案では、20代女性の出し子事案で**不起訴処分を獲得**(事例B-1)、受け子で複数回再逮捕された事案で**全件不起訴処分を獲得**(事例B-2)した実績がございます。これらの事案では、当事務所が接見初動から依頼者に黙秘権行使の具体的指導を行い、ご本人に不利な調書の作成を回避してまいりました。

万一退去強制手続に進んだ場合も、当事務所では不法就労助長罪冤罪に関わる依頼者について、入管庁の前例にない在留特別許可の獲得を達成しており(事例D-2系列)、また短期滞在で来日された依頼者で日本人女性とのお子様を授かった事案について「1発で在留特別許可を獲得」した実績(事例D-1)もございます。

結語

黙秘権の正しい行使は、「完全な沈黙」という極端な戦略でも、「自白有利論」への盲従でもございません。それは憲法が保障する基本的権利であり、外国人ご依頼者がご自身を不利な調書の作成から守る核心的な防衛線でございます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

当事務所の最大の特徴

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行は行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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