「罰金で済めば在留資格は安泰」という誤解|外国人刑事事件における罰金刑と退去強制の真実
2026/05/28
「罰金で済めば在留資格は安泰」という誤解|外国人刑事事件における罰金刑と退去強制の真実
一、問題意識と本記事の目的
当事務所には毎月のように次のようなご相談が寄せられます。「今回罰金20万円で済んだので、強制送還にはならないですよね?」日本社会、そして一部の中国語ネット情報の中で、「罰金で済めば在留資格は安泰」との認識が広く流布しております。しかし、入管法の構造から見て、この認識は危険な誤解でございます。本記事は、外国人当事者・ご家族の方々に、この誤解の構造的批判をお届けするものです。
二、入管法24条各号の実際の構造
退去強制事由(入管法24条)の中で、特に注意すべき三号は次のとおりです。**4号「リ」**:無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者、この号は確かに「拘禁刑」のみを対象とし、罰金刑は該当しません。**4号「チ」**:麻薬・大麻・覚醒剤・あへん・薬機法等の違反により処罰された者、この号は**刑種を問いません**。罰金刑でも該当いたします。**4号「ヌ」**:他の外国人に不法就労活動をさせた者(不法就労助長罪)、この号も刑種を限定しません。
すなわち、薬物関係・不法就労助長関係の罪名では、罰金刑でも直ちに退去強制事由となります。「罰金で済めば安泰」という認識は、これらの罪名では完全に誤りでございます。
三、罰金刑事案で頻発する「二段の失敗」
当事務所が見てまいりました事案では、次の「二段の失敗」がしばしば発生いたします。第一段:弁護人が「罰金以下の処分を目指します」と述べる、刑事手続上、拘禁刑ではなく罰金を目指すこと自体には意義がございます。第二段:依頼者・ご家族が「罰金以下なら安心」と早合点される、入管法24条4号「チ」「ヌ」の構造を全く知らないままに。結果:罰金判決が出た一ヶ月後、入管が退去強制手続を開始。この時点では弁護活動の余地はほぼ残っておりません。
この「二段の失敗」の根本原因は、弁護人自身が入管法24条各号の号別精読を行っていないこと、および依頼者・ご家族への情報提供が不十分であることに帰着いたします。
四、不起訴処分(起訴猶予)こそが真の目標
結論として、外国人事件において「罰金で済めば安全」との認識は、薬物関係・不法就労助長関係の罪名では完全に誤りでございます。真の目標は常に**不起訴処分(起訴猶予)の獲得**でございます。罰金刑の取得は、これらの罪名では退去強制の回避を意味いたしません。これが「不起訴目標主義」、当事務所が長年貫いてきた弁護方針、の根本的根拠でございます。「執行猶予」「罰金以下」を目標とする設定だけでは、外国人ご依頼者にとって、結果として失敗と等しいものとなりかねません。
五、初動対応で押さえておきたい三つのポイント
第一に、刑事弁護人にご相談の際、**最初に「私の事件は入管法24条のどの号に該当するのか」をお尋ねください**、即答できない弁護人であれば、別の弁護人をご検討いただくべきです。第二に、**「罰金を目指す」「執行猶予を目指す」だけの目標設定で止まらないこと**、「不起訴処分を目指す」ことを優先目標として堅持されるべきです。第三に、**中国語専属通訳の独立性を確保すること**、警察側通訳の訳出は、供述調書に不利な形で残ることがございます。
六、当事務所の弁護方針と解決事例
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、依頼者ご本人のために動く通訳をご利用いただけます。
薬物事案では、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)事案において、徹底した証拠分析により、**無罪判決を獲得**した実績がございます(事例A-1)。同事案は裁判員裁判対象事件であり、当事務所の実績は複数のメディアで公開されております。
特殊詐欺事案では、20代女性の出し子事案で**不起訴処分を獲得**(事例B-1)、受け子で複数回再逮捕された事案で**全件不起訴処分を獲得**(事例B-2)した実績がございます。
不法就労助長罪事案では、冤罪で起訴され強制退去の危機にある女性の事案について、「退去強制事由の判断にも故意・過失要件が必要である」との主張を展開する訴訟を係争中(事例D-2)でございます。この論点は入管実務において前例のないものであり、責任主義の射程を行政処分に及ぼす試みでございます。当事務所は、同事案系列において、入管庁の前例にない在留特別許可の獲得も達成しております。
結語
「罰金で済めば在留資格は安泰」という誤解は、薬物関係・不法就労助長関係の罪名では完全に誤りでございます。外国人ご依頼者の真の目標は、常に**不起訴処分の獲得**でなければなりません。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
当事務所の最大の特徴
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行は行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
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舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京を中心に刑事事件の弁護
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