「中国大使館・領事館に連絡すれば日本の弁護士は不要」という誤解について|領事接見権と弁護人の役割
2026/05/27
「中国大使館・領事館に連絡すれば日本の弁護士は不要」という誤解について|領事接見権と弁護人の役割
1. はじめに
「ご家族が日本で逮捕されたとき、中国大使館・領事館に連絡して領事援助を求めれば足り、別途日本の弁護士を選任する必要はない」というご認識は、中国本土在住のご家族の間で散見される誤解の一つでございます。本記事では、この誤解の構造的問題と、領事接見権・弁護人選任権の関係を整理いたします。
2. 領事接見権の内容
領事関係に関するウィーン条約36条1項(b)は、「外国人が逮捕されたとき、自国の領事による接見・通信を要求する権利」を保障しております。日本においても、警察・検察は外国人被疑者に対し、この権利を遅滞なく告知する義務を負います。
領事接見の内容は、概ね下記に限定されます。
(1) 本人の安否確認
(2) ご家族への連絡仲介
(3) 通訳・翻訳の手配支援
(4) 自国に対する刑事手続情報の提供
(5) 自国法に基づく必要な保護
3. 領事接見が「弁護人」を代替できない理由
領事接見と弁護人活動には、下記の本質的な相違点がございます。
(1) 守秘義務の範囲:日本の弁護人には弁護士法23条の守秘義務がございますが、領事館員にはそれと同等の守秘義務はございません。本人の供述内容が、事実上自国(中国)当局に伝わる可能性が排除されません。
(2) 刑事手続上の権限:日本の刑事手続において被疑者の権利を主張・行使できるのは、日本の弁護士資格を有する弁護人のみでございます。供述調書への異議申立、勾留に対する準抗告、起訴前段階での検察官面談等の活動は、領事館員には行えません。
(3) 入管手続への対応:在留資格喪失・退去強制手続への対応は、日本の弁護人・行政書士の業務領域に属するものでございまして、領事館員の業務範囲外でございます。
(4) 日本法と中国法の架橋:日本の刑事弁護では、日本刑法・日本刑事訴訟法の知識が必要となります。これらは中国本土の法律実務家の専門領域とは異なります。
4. 領事接見権と弁護人選任権の並立
領事接見権と弁護人選任権は、相互排他的な権利ではなく、並立的な権利でございます。逮捕された中国籍の方は、下記の各権利をいずれも行使することができます。
(1) 中国大使館・領事館への通報を要求すること
(2) 日本の弁護人を選任すること
(3) 両者を並行して活用すること
当事務所では、領事接見の手配サポートも提供いたします。領事館員に対する事実関係のご説明、ご家族への連絡仲介、必要に応じた領事館員との情報共有等を一体的に行います。
5. 当事務所の独自体制
当事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関側通訳とは別の、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を提供いたします。中国本土のご家族との微信(matsumura1119)による迅速な連絡体制も整備しております。
6. 当事務所のご案内と解決事例
【事例E-1:裁判員裁判対象事件・世界的に報道された重大事件への対応】国際刑事事件・裁判員裁判対象事件・国際的に注目された事件への対応経験が豊富でございます。領事接見が必要な事案にも対応した実績がございます。
【事例D-1:難関な在留特別許可を1発で獲得】在留資格喪失で逮捕・起訴された事案について、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも、依頼者に有利な証拠を収集し、1発で在留特別許可を獲得した事例でございます。中国本土からの書類取寄せの実務にも精通している証左でございます。
当事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しております。
結語
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。外国人刑事事件においては、初動接見と不起訴処分の獲得が退去強制リスクの分水嶺となります。当事務所は、依頼者ご本人・ご家族の素朴な訴えから出発し、最後まで誠実にお力添えいたします。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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東京を中心に刑事事件の弁護
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