舟渡国際法律事務所

「示談すれば必ず不起訴になる」という誤解について|外国人事件における特殊性

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「示談すれば必ず不起訴になる」という誤解について|外国人事件における特殊性

「示談すれば必ず不起訴になる」という誤解について|外国人事件における特殊性

2026/05/27

「示談すれば必ず不起訴になる」という誤解について|外国人事件における特殊性

1. はじめに

「示談さえ成立すれば不起訴になる」というご認識は、外国人刑事事件の依頼者・ご家族の間で広く流布されている誤解の一つでございます。被害弁償・示談成立が不起訴判断の重要な考慮要素であることは間違いございませんが、外国人事件には日本人事件と異なる特殊性があり、示談成立のみでは不起訴が確定しない類型が複数存在いたします。本記事では、この構造的誤解の解消を目的としております。

2. 示談の効果が及ぶ罪名と及ばない罪名

示談成立が不起訴判断に強く反映される罪名は、被害者が個人である「個人的法益侵害型」の事案でございます。具体的には、暴行・傷害罪、窃盗罪、詐欺罪、住居侵入罪等でございます。

他方、被害者が国家・社会である「社会的法益侵害型」の事案では、示談という概念そのものが成立せず、あるいは示談の効果が限定的でございます。具体的には、薬物事犯(覚醒剤取締法・大麻取締法等)、入管法違反、公務執行妨害罪等でございます。これらの罪名では、仮に被害者個人が存在しても、国家的法益が中核を成すため、被害弁償による不起訴獲得は困難でございます。

3. 外国人事件における示談効果の限定

外国人事件に特有の現象として、下記の構造がございます。

(1) 刑事手続上の不起訴獲得と、入管手続上の在留資格保持は、必ずしも連動いたしません。罰金刑・微罪処分でも「素行不良」評価により在留期間更新拒否となる可能性がございます。

(2) 薬物事犯では、入管法24条4号チが「刑の重さを問わず」薬物関係の有罪を退去強制事由としております。示談・被害弁償は刑事処分の軽重に影響しても、4号チの該当性自体を変えるものではございません。

(3) 資格外活動・不法残留等の入管法違反では、被害者概念自体が存在しないため、「示談」という手段が機能いたしません。

4. 当事務所の独自論点:責任主義の射程

当事務所の松村大介弁護士の独自論点として、「退去強制事由の判断にも責任主義の射程が及ぶべき」との主張がございます(事例D-2・係争中)。すなわち、示談成立により刑事処分が軽減されたとしても、それで退去強制リスクが当然に解消するとは限らない一方、逆に、故意・過失欠如の事情を入管手続段階で改めて主張することにより、退去強制リスクを争う道が開ける可能性があるとの主張でございます。

示談成立は不起訴判断には資する重要事情でございますが、それのみでは外国人事件における在留資格保持の決定打にはなり得ません。当事務所では、示談交渉・検察官面談・入管手続準備を並行進行することで、依頼者の在留資格保持を多角的に守る弁護方針でございます。

5. 当事務所のご案内と解決事例(示談の活用と限界)

【事例B-1:特殊詐欺出し子事案で20代女性につき不起訴処分を獲得】被害弁償の主張のみならず、指示役からの欺罔・脅迫的状況・犯意不存在の主張を併用することで、不起訴処分を獲得した事例でございます。「示談のみ」ではなく「示談+主観論」の併用の重要性を示す事例でございます。

【事例G-2:盗撮被害者代理人として示談金300万円獲得】被害者側代理人の立場ではございますが、示談金額の獲得実務に精通している証左でございます。被疑者側でも、当事務所は被害者側との示談交渉を実務的に進めることが可能でございます。

【事例D-2:不法就労助長で強制退去の危機にある女性を救済(係争中)】示談という手段が機能しない不法就労助長類型における、責任主義・故意過失要件論の独自展開でございます。「示談のみでは入管手続を救えない」事案における当事務所の独自対応の例でございます。

当事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しております。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。外国人刑事事件においては、初動接見と不起訴処分の獲得が退去強制リスクの分水嶺となります。当事務所は、依頼者ご本人・ご家族の素朴な訴えから出発し、最後まで誠実にお力添えいたします。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

 

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