銅線・金属盗で逮捕された方とご家族へ|失踪後の窃盗類型と金属類盗対策法
2026/05/27
銅線・金属盗で逮捕された方とご家族へ|失踪後の窃盗類型と金属類盗対策法
1. はじめに
外国籍の方(特に元技能実習生)が関与する金属窃盗事案が、近年相次いで報じられております。長野県の民家潜入・現金窃盗事案で、ベトナム国籍の方々が職務質問の際に警察車両に車をぶつけて逃走を図り現行犯逮捕された事案等が報じられております。「失踪実習生」の類型は、不法残留・資格外活動・組織的窃盗等の複合的な違法行為が重なる類型でございます。
令和7年(2025年)に施行された「特定金属類盗難等防止法(金属類盗対策法)」は、銅・アルミ・鉛等の特定金属類の盗難について特別法による厳しい処罰規定を設けております。本記事では、外国籍の当事者がこの種事案で立件された場合の論点をご説明いたします。
2. 想定される刑事手続の流れ
金属窃盗事案で問題となる主たる罪名は、窃盗罪(刑法235条/10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)でございます。多数共犯の組織的窃盗の場合は、組織的犯罪処罰法3条の適用可能性も視野に入ります。さらに、2025年施行の金属類盗対策法は、銅・アルミ・鉛等の特定金属類の買取り・搬出について独立した処罰規定を設けております。
外国籍の当事者の場合、入管法違反(不法残留・資格外活動)が併合罪となることが多くございます。失踪実習生は、仮に刑事事件に至らずとも、失踪行為自体が入管法24条4号ロの退去強制事由を構成いたします。当事務所では、初動の段階から刑事手続と入管手続の双方を視野に入れた一体的な弁護活動を行います。
3. 外国人事件特有のリスク(4号リと4号ロの累積)
窃盗罪の法定刑10年以下の拘禁刑の射程内でも、多くの事案では1年以内の拘禁刑(執行猶予可能)に収まる可能性がございます。しかし外国籍の当事者の特有のリスクは、窃盗罪自体が入管法24条4号リの退去強制事由に該当しなくとも、失踪事実・資格外活動事実そのものが同法24条4号ロ(不法残留・資格外活動)に該当する点でございます。「窃盗罪では退去強制にならない」というご認識は、本類型事案における最大の落とし穴の一つでございます。
また、失踪実習生事案では、本人の失踪が受入機関側の不当行為(暴力・低賃金・労働条件の違法等)に起因しているケースが少なくございません。この場合、本人の主観的事情(やむを得ない失踪であった事情)は、刑事量刑だけでなく、後の在留特別許可申請における重要な有利情状となります。当事務所の松村大介弁護士は、この種論点の活用に豊富な経験を有しております。
4. 不起訴と在留特別許可を並行で目指す弁護戦略
本類型事案における弁護活動の要点は、(1) 窃盗罪の故意を最小限の認識に限定し、組織に誘引・強要された事情を主張する、(2) 失踪の経緯を詳述し、受入機関側の違法行為の事実を記録する、(3) 刑事手続終了の段階で在留特別許可申請の準備を直ちに着手する、という三点でございます。
当事務所の事例D-1(観光目的来日の相談者の難関な在留特別許可を1発で獲得した事例)は、入管庁公表事例の活用、憲法14条1項の平等原則主張の実務能力の証左でございます。事例E-1(裁判員裁判対象事件・世界的に報道された重大事件への対応)は、組織犯罪関連事案における複雑な対応能力の証左でございます。
5. 初動対応で押さえておきたい3つのポイント
- 黙秘権の行使:「誘った人」「指示役」「報酬の分配」等の組織性事実についての供述は慎重を期するべきでございます。失踪後にやむを得ず巻き込まれた事情がある場合、「巻き込まれた」事実関係は弁護人と打ち合わせの上で陳述なさることをお勧めいたします。
- 早期の弁護人選任:本類型事案では、刑事手続と入管手続を並行で扱う必要がございます。当番弁護士は入管手続には対応できないため、私選弁護人の選任が不可欠でございます。
- 中国語・ベトナム語等多言語通訳の手配:技能実習生事案では依頼者の出身国が多様でございます。当事務所では中国語専属通訳のほか、必要に応じてベトナム語等の通訳手配にも対応いたします。
6. 当事務所のご案内と解決事例
【事例D-1:難関な在留特別許可を1発で獲得】観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったが在留資格を喪失し不法滞在で逮捕・起訴された事案について、入管当局の過去の許可事例を分析し、1発で在留特別許可を獲得した事例でございます。失踪・不法残留が問題となる本類型事案にも参考価値の高い事例でございます。
【事例E-1:裁判員裁判対象事件・世界的に報道された重大事件への対応】組織犯罪・国際刑事事件への豊富な対応経験を有しており、失踪後の組織性窃盗事案にも応用可能な実務知見でございます。
当事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。提携の行政書士による在留資格更新・変更・在留特別許可申請等の後続手続にもワンストップで対応いたします。
結語
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。外国人刑事事件においては、初動接見と不起訴処分の獲得が退去強制リスクの分水嶺となります。当事務所は、依頼者ご本人・ご家族の素朴な訴えから出発し、最後まで誠実にお力添えいたします。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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