舟渡国際法律事務所

中国籍の方が日本で無免許運転・偽造国際運転免許証使用で逮捕されたら|不起訴処分と在留資格を守るために

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中国籍の方が日本で無免許運転・偽造国際運転免許証使用で逮捕されたら|不起訴処分と在留資格を守るために

中国籍の方が日本で無免許運転・偽造国際運転免許証使用で逮捕されたら|不起訴処分と在留資格を守るために

2026/05/13

中国籍の方が日本で無免許運転・偽造国際運転免許証使用で逮捕されたら|不起訴処分と在留資格を守るために

(2026年5月時点/松村大介 弁護士 監修)

1. はじめに ― 在日中国人にとっての運転免許問題は新たな段階へ

近時、中国籍の方の自動車運転をめぐる問題が、急速に社会的・行政的関心を集めております。河野太郎前デジタル相は2026年5月12日、ご自身のSNS上にて、日本国内に住民票のない中国籍の方による「外免切替」(中国の運転免許証を日本の免許証に切り替える手続)について、警察庁が今後は認めない方向で運用を明確化した旨を発信されました。これと並行して、警察庁において制度運用の見直しが進められております。

他方、偽造された国際運転免許証(IDP)を用いて日本でレンタカーを借り、運転していた中国籍の方が無免許運転として逮捕される事案も、各種報道において頻繁に取り上げられている状況がございます。本記事では、こうした類型の報道を契機として、中国籍の当事者の方の刑事手続の流れ、退去強制リスク、そして弁護方針について、一般的な解説を試みるものです。特定個人・特定事件に関する論評ではなく、汎用的な論点整理として位置づけられるものでございます。

2. 適用罪名と刑事手続の流れ

日本の道路交通法64条1項は、適法な運転免許を有することなく自動車を運転した場合、無免許運転として、3年以下の拘禁刑(令和7年6月施行の現行法における自由刑)または50万円以下の罰金に処せられる旨を定めております(同法117条の2の2第1項第1号)。

携帯していた国際運転免許証が偽造のものであった場合は、無免許運転に加えて、刑法155条の有印公文書偽造罪、158条の同行使罪(1年以上10年以下の拘禁刑)が併合適用される可能性があり、罪責は格段に重くなります。

逮捕後48時間以内に検察官送致、検察官は24時間以内に裁判官に勾留を請求するという流れで、最長20日間の勾留がなされる構造となっております。この「逮捕から勾留決定までの72時間」が、弁護活動上もっとも重要な局面となります。その後、検察官が起訴または不起訴を判断します。

3. 外国人事件特有の退去強制リスク

入管法24条4号リは「無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者」を退去強制事由として定めております。無免許運転のみで罰金または1年以下の執行猶予判決にとどまる場合、原則として本号事由には直接該当いたしません(同号末尾には執行猶予全部の場合を除外する規定が置かれております)。もっとも、偽造国際運転免許証使用が加わる場合、有印公文書偽造同行使罪は法定刑の下限が1年以上の拘禁刑であるため、ひとたび実刑または1年を超える拘禁刑(執行猶予付きであっても)に処せられると、上記除外規定の適用範囲が限定され、退去強制リスクが顕著に高まる構造となっております。

また、入管法24条4号ロは「刑罰法令に違反して拘禁刑に処せられた者(資格外活動関連)」を退去強制事由として定めており、加えて、退去強制に至らずとも、在留資格更新拒否(入管法21条)や在留資格取消し(入管法22条の4)の運用との関係で、「素行不良」と評価され在留資格の継続が中断されるリスクも併存いたします。

4. 起訴前段階での不起訴処分獲得の重要性

日本国内にご家族・お子様・就業基盤をお持ちの中国籍の方にとって、「執行猶予判決=引き続き日本に居住可能」というご認識は、極めて危険でございます。判決の主刑が1年を超える拘禁刑となった場合、執行猶予付きであっても退去強制の俎上に乗る可能性があるためです。したがって、弁護活動の最優先目標は「起訴前段階での不起訴処分獲得」とすべきであり、「公判段階での執行猶予獲得」を最終目標とすることは適切ではないと考えております。

不起訴処分の獲得に向けては、起訴前段階において、(1) 客観証拠の徹底分析(運転日時・場所・車両所有関係・レンタカー契約・出入国記録等)、(2) 主観面の精密な争い(仲介業者の「合法的手続」との説明を信用した経緯、偽造性に関する未必の故意の不存在等)、(3) 検察官への上申書・不起訴意見書の提出、(4) 必要に応じレンタカー会社・被害者側との損害賠償・宥恕状交渉といった作業が不可欠となります。

5. 初動対応で押さえておきたい3つのポイント

第一に、黙秘権の行使でございます。日本国憲法38条1項、刑事訴訟法198条2項は被疑者の黙秘権を保障いたしております。弁護人と面会する前は、警察・検察の取調べに対し詳細な供述をなさることは避けるべきでございます。「素直に認めれば軽くなる」といった誘導的な勧奨は、外国人の方にとってとりわけ危険性が高いものでございます。

第二に、早期の弁護人選任でございます。「当番弁護士」制度により、警察留置中に弁護士の初回接見を無償でご利用いただけます。もっとも、当番弁護士は1回限りの制度であり、その後の手続を継続して担当することはございませんため、できる限り早期に私選弁護人を選任されることが望ましいと存じます。

第三に、通訳の質への留意でございます。捜査機関が指定する通訳人の中立性には限界があり、訳出のわずかなニュアンスのずれが、後の公判に重大な影響を及ぼした事例もございます。弁護人の選任と併せて、弁護人側にて独立した専属通訳を確保することが、供述調書の正確性確保のために重要となります。

6. 当事務所の弁護体制と解決事例

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、第一東京弁護士会所属の松村大介弁護士(登録番号59077・2019年登録)が、中国籍のご依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野として運営する事務所でございます。

無免許運転・偽造公文書事案と論点を共有する当事務所の解決事例として、以下のものがございます。

第一に、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)事案において、捜査の違法性および主観的要件の精密な分析を通じて無罪判決を獲得した実績でございます。客観証拠の徹底分析力という点は、無免許運転・偽造国際運転免許証事件における「未必の故意」「認識可能性」の争点と高度に同型でございます。

第二に、不法就労助長罪認定事件において、本所松村弁護士は、前例のない在留特別許可を獲得いたしました。これは、責任主義の射程を行政処分判断にまで及ぼすことを可能とした画期的な成果であり、退去強制段階における当事務所の論証基盤を成すものでございます。

第三に、難関とされた在留特別許可案件において(ご依頼者は不法滞在で起訴された中国籍の方)、当事務所は入管庁公表事例の横断的比較と憲法14条1項の平等原則の論証を通じて、一度の申請で在留特別許可を獲得いたしました。本件類型における退去強制段階の参考事例となるものでございます。

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、ご依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたりご利用いただけます。加えて、提携する行政書士との連携により、刑事手続終了後の在留資格更新・変更等の手続にも一体的にご対応申し上げます。

7. 結語

無免許運転・偽造国際運転免許証事案は、外免切替制度の見直しの動きと社会的関心の高まりを背景として、捜査機関の重点取締領域に位置づけられつつあります。中国籍のご当事者・ご家族におかれましては、72時間の最重要局面において、日本の入管法に精通した弁護人にご相談いただき、刑事不起訴処分と在留資格保全の二重防御線を構築されることが肝要かと存じます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。本記事に記載した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍のご依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得、不法就労助長罪認定事件における前例のない在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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