クレジットカードの偽造・スキミングで逮捕されたら|支払用カード電磁的記録不正作出罪と外国人事件の注意点
2026/06/02
クレジットカードの偽造・スキミングで逮捕されたら|支払用カード電磁的記録不正作出罪と外国人事件の注意点
クレジットカードの磁気情報を抜き取る、いわゆるスキミングや、抜き取った情報をもとにカードを偽造する行為について、中国籍の方を含むグループが摘発される事案が報じられています。背景には、海外で流通する個人情報の売買があるとも指摘されています。本記事は、こうしたカード偽造の類型で身柄を拘束された方やそのご家族に向けて、罪名の構造と外国人事件特有の論点を整理いたします。
想定される刑事手続の流れ
カードの磁気記録を不正に作り出す行為は、支払用カード電磁的記録不正作出罪(刑法163条の2、10年以下の拘禁刑)に問われ得ます。偽造カードを所持すれば不正電磁的記録カード所持罪、これを使って商品を得れば詐欺罪も成立し得ます。法定刑が重く、組織性が認められやすい類型でございます。
逮捕後は、検察官送致・勾留請求・勾留(原則10日、延長で最大20日)という流れをたどります。機器や偽造カードの押収、共犯者の解明にともない、再逮捕がくり返されることもございます。
外国人事件に特有のリスク(退去強制)
カード偽造の類型は法定刑が重く、実刑となれば入管法24条4号リ(無期又は1年を超える拘禁刑)に該当する可能性が高くなります。さらに、有印・無印の偽造に関わる罪は、量刑次第で在留資格そのものの基盤を失わせます。
執行猶予が付いた場合でも、刑期が1年を超えれば原則として退去強制事由に該当し得ます。号ごとの構造を精査せずに「猶予が付いたから安心」と判断することは禁物でございます。
不起訴処分の重要性
カード偽造の事案では、機器を渡された末端の関与者が、その目的や仕組みを十分に理解していなかったというケースも見受けられます。故意の内容・関与の度合い・利得の有無を精査し、起訴前段階で不起訴を目指すことが、在留資格を守るうえで最も重要でございます。
執行猶予の獲得を最終目標に据えてしまうと、結果として退去強制に至りかねません。起訴前からの不起訴目標主義が要となります。
初動対応で押さえておきたい3つのポイント
第一に、黙秘権の行使でございます。機器の入手経路や指示役との連絡について、不用意な供述は避けるべきでございます。
第二に、早期の弁護人選任でございます。押収物の評価や共犯関係の整理は、専門的な弁護活動を要します。
第三に、信頼できる通訳の確保でございます。技術的なやり取りを含む供述は、訳出の正確性が結論を左右いたします。
当事務所のご案内と解決事例
当事務所は、偽造・電磁的記録関係の事件を含め、立証構造の精査を要する刑事事件に取り組んでまいりました。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、徹底した証拠分析と反対尋問により無罪判決を獲得した事例がございます。重い法定刑の事案でも、捜査の問題点や故意・目的の不存在を丁寧に争うことの重要性を示す一例でございます。
特殊詐欺の出し子に関わったとされた依頼者について、主観的事情を総合的に主張し、不起訴処分を獲得した事例もございます。
在留資格を失って起訴された依頼者について、過去の許可事例を分析し、難関とされた在留特別許可を獲得した事例もございます。
当事務所では、松村大介弁護士が初動から結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しております。刑事手続終了後の在留資格手続も、提携の行政書士とワンストップで対応いたします。
結語
カード偽造の類型は法定刑が重い一方、関与の実態には大きな幅がございます。だからこそ、初動からの的確な弁護活動が結論を分けます。ご家族におかれては、不安を抱え込まず、できるだけ早い段階でご相談いただければと存じます。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。
過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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