学割悪用のApple転売詐欺で逮捕された留学生の方とご家族へ|SNS勧誘型詐欺の刑事責任と在留資格
2026/05/27
学割悪用のApple転売詐欺で逮捕された留学生の方とご家族へ|SNS勧誘型詐欺の刑事責任と在留資格
1. はじめに
学生割引制度を悪用してApple製品を購入し転売したとして、中国籍の留学生数名が詐欺容疑で逮捕された事案について、各社が報じてまいりました。指示役が中国のSNSで「楽な副業」「合法的な代行購入」と称して留学生を募集していた、と報じられております。
この種の「転売詐欺」事案は、留学生の方にとっては「友達からの紹介」「軽い気持ち」で関与してしまった結果、知らぬ間に巨額の組織的詐欺事件の実行行為者として立件される類型でございます。本記事では、報道された個別事案には立ち入らず、同種類型として一般化した上で、ご本人・ご家族にお伝えしたい論点を整理いたします。
2. 想定される刑事手続の流れ
本類型では、主犯となるのは指示役(組織の上層部)でございますが、実行行為者として店舗で購入を行った留学生も、購入時に「転売目的の隠匿」について認識を有していたと評価される場合は、詐欺罪(刑法246条/10年以下の拘禁刑)の共謀共同正犯として立件されます。
逮捕後72時間以内に検察官送致がなされ、勾留請求・勾留延長を経て最大20日間の身柄拘束となります。複数共犯事案では、被疑者間の供述の一致・不一致、SNS上のやり取りの保全状況、報酬の支払経路(中国国内の送金経路を含む)が捜査の主要な検討事項となります。逐次再逮捕により身柄拘束が長期化することも珍しくございません。
3. 外国人事件特有のリスク(4号リと執行猶予の落とし穴)
詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑でございます。初犯の留学生であっても、組織的詐欺の実行行為者として認定された場合、1年を超える拘禁刑が言い渡される可能性は十分にございます。執行猶予判決が付されたとしても、入管法24条4号リは「無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者」を退去強制事由として規定しており、執行猶予の有無を問わず該当することになります。
また、留学生は「留学」の在留資格を有しておりますが、当該資格は本来収入活動(資格外活動)を許容するものではございません。仮に刑事処分が不起訴処分・微罪処分に終わったとしても、入管法21条の在留期間更新拒否、22条の4の在留資格取消し等の行政処分が別途進行する可能性がございます。当事務所では、刑事弁護と並行して入管手続を見据えた戦略を立案いたします。
4. 不起訴処分を最優先目標とする弁護方針
本類型事案における不起訴判断では、(1) 指示役による欺罔・誘導の程度(「合法的な代行購入」と説明されていた程度)、(2) 報酬の金額・本人の生活費に占める比率、(3) 任意の自首・捜査協力の状況、(4) 購入済み製品の返還・損害賠償の有無、(5) 被疑者の素行(来日後の生活ぶり、学業の出席状況等)が総合的に勘案されます。
当事務所では、特殊詐欺の出し子事案(20代女性につき指示役からの欺罔的状況・犯意不存在を主張し不起訴を獲得した事例B-1)、取り込み詐欺被害事件で刑事告訴を端緒として7,500万円の解決金を獲得した事例C-1等、詐欺事案の多面性に対応する豊富な実績がございます。被害企業との示談交渉、Appleとの返還交渉、検察官への意見書提出を並行して進めることで、起訴猶予・嫌疑不十分の処分獲得を目指します。
5. 初動対応で押さえておきたい3つのポイント
- 黙秘権の行使:「転売目的であることを知っていたかどうか」の認識の有無が最大の争点となります。弁護人と十分に打ち合わせる前に、SNS上のやり取りの内容や指示役との関係について不用意に供述なさらないことが肝要でございます。
- 早期の弁護人選任:当番弁護士は初動の一時的対応に過ぎず、勾留段階から私選弁護人の選任をご検討ください。当事務所は初回相談無料で対応いたしております。
- 専属通訳の活用:捜査機関側通訳の供述調書には、犯意のニュアンスが不利な方向で記載されることが少なくございません。当事務所の中国語専属通訳は、依頼者ご本人のために動く立場で、刑事手続全般に対応いたします。
6. 当事務所のご案内と解決事例
当事務所では、本件と類型を同じくする詐欺事案・転売詐欺事案について、下記の解決事例を有しております。
【事例B-1:特殊詐欺出し子事案で20代女性につき不起訴処分を獲得】特殊詐欺の出し子行為に関わったとされた20代女性につき、依頼者の主観的事情(指示役からの欺罔・脅迫的状況、犯意の不存在等)を総合的に主張し、不起訴処分を獲得いたしました。
【事例C-1:取り込み詐欺被害事件で7,500万円の解決金獲得】卸業を営む依頼者が取り込み詐欺の被害に遭った事案で、刑事告訴を端緒として相手方を特定し、被害金を大きく上回る7,500万円の解決金を獲得した事例でございます。詐欺事案の多面性に対応する実務能力の証左でございます。
【事例D-1:難関な在留特別許可を1発で獲得】観光目的で来日した相談者が在留資格を喪失し不法滞在で逮捕・起訴された事案で、入管当局の過去の許可事例を分析し、1発で在留特別許可を獲得いたしました。本件のように在留資格喪失リスクが顕在化した場合の重要な参考事例でございます。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、提携の行政書士による在留資格サポートにもワンストップで対応いたします。
結語
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。外国人刑事事件においては、初動接見と不起訴処分の獲得が退去強制リスクの分水嶺となります。当事務所は、依頼者ご本人・ご家族の素朴な訴えから出発し、最後まで誠実にお力添えいたします。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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