舟渡国際法律事務所

SIMカード・eSIM不正契約と転売事案|携帯電話不正利用防止法の構造と中国籍の方々への注意点

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SIMカード・eSIM不正契約と転売事案|携帯電話不正利用防止法の構造と中国籍の方々への注意点

SIMカード・eSIM不正契約と転売事案|携帯電話不正利用防止法の構造と中国籍の方々への注意点

2026/05/26

SIMカード・eSIM不正契約と転売事案|携帯電話不正利用防止法の構造と中国籍の方々への注意点

近時、警視庁および各道府県警が、他人名義・偽造身分証を用いてSIMカードやeSIMを不正に契約し、第三者へ転売する事案を相次いで摘発しております。2026年1月の報道では、ダークウェブから仕入れたeSIMを不正に転売したとして、携帯電話不正利用防止法違反の容疑で男性が逮捕されたとされております。当事務所の松村大介弁護士のもとへも、この類型の事案について、中国籍の方々およびそのご家族からのご相談が増加してまいりました。本記事では、こうした事案の罪名構造・主観的要件をめぐる争点・在留資格への影響について、一般的な解説として整理させていただきます。

1.携帯電話不正利用防止法の罪名構造

携帯電話不正利用防止法(携電法)20条1項は、不正に契約された携帯電話音声通信役務の契約者に対し、2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金を定めております。同条2項は、不正契約により取得したSIM・eSIMを有償で第三者に譲与する行為についても、同等の罰則を科しております。これに加えて、行為者が身分証・在留カード等を偽造した場合は、刑法159条の有印私文書偽造罪(5年以下の拘禁刑)・刑法161条の同行使罪(同等の罰則)・入管法73条の2の2の偽造在留カード罪(1年以上10年以下の拘禁刑または20万円以上200万円以下の罰金)が併合審理されることとなります。

2.主観的要件の争点 ― 「不正の認識」

携電法20条が要求する主観的要件は、契約が不正であることについての故意でございます。中国籍の方々が知人からの依頼・名義貸し・仲介者を経由した購入の類型に巻き込まれている場合、「不正の認識」の程度は具体性を欠くことが少なくありません。当事務所では、未必の故意の不存在を徹底的に争い、最判昭和48年4月25日刑集27巻4号547頁の示す「認識要件の具体性」基準を踏まえ、抽象的認識のレベルでは故意認定に足りないことを主張してまいります。

3.外国人特有の退去強制リスク

携電法20条の法定刑の上限は2年の拘禁刑であり、単独では入管法24条4号リの「1年を超える拘禁刑」要件には直結しません。しかしながら、本類型は偽造在留カード罪(入管法73条の2の2)と併合審理されることが多く、後者の法定刑の下限は1年の拘禁刑であるため、4号リの発動が現実化いたします。個別の行為が略式罰金で終結した場合でも、背景に潜む資格外活動の嫌疑(入管法24条4号ハ)が、それ自体として独立に退去強制事由となる場合がございます。

4.不起訴処分獲得の戦略

当事務所では、(1)「不正の認識」の徹底的争点化と、(2)資格外活動・偽造在留カード嫌疑の分離、を戦略の核心としております。具体的には、依頼者が受領した指示・報酬額・委託内容の精緻な整理、通常の名義貸し(合法)と本件との対比、依頼者が犯罪性を認識していなかったことを示す間接証拠の抽出、背景にある資格外活動・偽造在留カードの嫌疑を独立に反証する手順を踏んでまいります。

5.初動対応で押さえておきたい三つのポイント

第一に、「誰の指示か」「なぜ署名したのか」「報酬はいくらか」「SIMの用途を認識していたか」といった質問について、徹底的に黙秘権を行使することでございます。第二に、警察に押収される前に契約書原本・身分証・通信履歴等の証拠を保存することでございます。捜査段階の証拠押収は不可逆であり、書面の事前保存は弁護戦略の柱となります。第三に、経験ある中国語通訳の確保でございます。携電法・入管法の用語は精度が高く、「契約」「貸与」「販売」等の微妙な概念区分について、訳のずれが供述調書の内容に直接影響いたします。

6.当事務所の解決実績と体制

当事務所には、こうした事案類型に直接活かせる豊富な解決実績がございます。事例A-1としては、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)の案件において、所持の故意・営利目的という主観的要件を徹底的に争い、無罪判決を獲得した事例がございます。同事例で蓄積された「客観的状況からの認識推認立証への反証経験」は、本記事の事件類型にも直接活用できます。事例B-1としては、特殊詐欺出し子20代女性につき、主観的要件の不存在を主張立証し、不起訴処分を獲得した事例がございます。事例D-1としては、在留資格を喪失した依頼者について、入管庁過去公表事例の平等原則適用を主軸に、難関とされた在留特別許可を「1発」で獲得した事例がございます。

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳をご利用いただけます。また、提携の行政書士と協働し、刑事手続終了後の在留資格更新・変更等の手続にもワンストップで対応してまいります。

7.結語

SIM・eSIM不正契約事案の核心は、行為者の主観的要件をめぐる争点と、併合罪構造の分離にございます。当事務所が堅持する「不起訴目標主義」戦略は、中国籍の方々の在留資格を守り、強制送還を回避するための多重防御線の中核でございます。同種事案でお悩みの方々におかれましては、どうぞ早期に当事務所へご相談くださいますようお願い申し上げます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

 

執筆者情報

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野といたしております。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有しております。

 

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