舟渡国際法律事務所

中国籍の元技能実習生・元留学生による空き家狙い窃盗団事件|共謀共同正犯認定阻止のための初動弁護のポイント

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中国籍の元技能実習生・元留学生による空き家狙い窃盗団事件|共謀共同正犯認定阻止のための初動弁護のポイント

中国籍の元技能実習生・元留学生による空き家狙い窃盗団事件|共謀共同正犯認定阻止のための初動弁護のポイント

2026/05/26

中国籍の元技能実習生・元留学生による空き家狙い窃盗団事件|共謀共同正犯認定阻止のための初動弁護のポイント

近時、日本各地の警察が、元技能実習生・元留学生を実行役とし、海外の指示役が統括する空き家狙いの組織化窃盗団を相次いで摘発しております。当事務所の松村大介弁護士のもとへも、同種事案に関する初動ご相談が日々増加してまいりました。本記事では、中国籍の方々およびそのご家族の皆様に向けて、こうした組織化窃盗事件における刑事手続の構造、共謀共同正犯認定の争点、外国人特有の退去強制リスクについて、一般的な解説として整理させていただきます。

1.直近の摘発動向と事件類型

兵庫県警は2025年9月、空き家・無人住宅を狙った21件以上の窃盗で、元技能実習生のベトナム籍男性二名を逮捕いたしました。神奈川県警・広島県警は同年8月、Facebookで闇バイトに応募した元技能実習生および監理団体職員を、窃盗容疑で再逮捕しております。これらの被疑者は、Telegramを通じてベトナム国内の犯罪グループから指示を受けていたとされております。岩手県警は同年10月、不法残留容疑でベトナム籍男女13名を逮捕し、背後に中国人ブローカーの関与が疑われると報じられております。こうした案件において、中国籍の方々が指示役・現金回収役・物品転送役として巻き込まれるケースも少なくありません。

2.刑事手続上の争点 ― 共謀共同正犯認定

組織化窃盗事件において、検察官は刑法60条の共謀共同正犯法理を援用し、実行役以外の参与者をも正犯として処罰すべきと主張するのが通例でございます。もっとも、共謀共同正犯の成立要件としては「共同実行の意思」「共同実行の事実」(最大判昭和33年5月28日刑集12巻8号1718頁)が要求されており、組織内で運送・収納等の末端業務のみを担当した参与者について、その正犯性の有無は依然として厳しい争点となります。弁護人の第一の防御線は、まさにこの「共同実行の意思」という主観的要件を争う点に置かれることになります。

3.外国人特有の退去強制リスク

窃盗罪(刑法235条)の法定刑は10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金とされております。個別の行為が窃盗罪と認定され執行猶予判決を受けた場合であっても、「無期又は1年を超える拘禁刑」が宣告されれば、入管法24条4号リの退去強制事由が直ちに発動いたします。同号には「執行猶予期間中」を除外する規定がございますが、執行猶予期間が経過すれば直ちに退去強制対象となる構造でございます。また、組織化案件において組織的犯罪処罰法3条(団体の活動としての窃盗の加重類型)が適用されますと、法定刑の上限が15年の拘禁刑にまで引き上げられ、4号リ該当の蓋然性が一気に上昇いたします。次回来日時にも、入管法5条1項4号・9号の上陸拒否事由により再来日が遮断される可能性がございます。

4.不起訴処分獲得の決定的意義

中国籍の方が在留資格の維持・強制送還の回避を希望される場合、最善の戦略は起訴前段階での不起訴処分獲得でございます。当事務所は一貫して「不起訴目標主義」を堅持しており、執行猶予判決を最終目標とせず、起訴前段階での不起訴処分(起訴猶予・嫌疑不十分・嫌疑なし)の獲得を最優先目標として位置付けております。共謀共同正犯における主観的要件の争点は、まさに起訴前段階で徹底的に争うのに最も適した論点でございます。検察官が「共同実行の意思」の立証に確信を持てない場合には、起訴猶予の余地が現実的に開けてまいります。

5.初動対応で押さえておきたい三つのポイント

第一に、黙秘権を徹底的に行使することでございます。組織化窃盗事件では、捜査官が「他のメンバーは既に供述している」「協力すれば寛大に処理する」等と供述を誘導することが少なくございません。しかしながら、組織内におけるご自身の地位・主観的認識については、弁護人の助言を経ずに供述してしまうと、後になって覆すことが極めて困難となります。第二に、早期に経験ある弁護人を選任することでございます。当番弁護士制度を利用すれば逮捕後に一度無料で弁護士を呼ぶことができますが、これは単発の訪問制度に過ぎず、徹底した弁護活動には私選弁護人の就任が不可欠でございます。第三に、経験ある中国語通訳を確保することでございます。捜査機関が指定する通訳人は必ずしも法律用語に精通しているとは限らず、立場も捜査機関側に近いところ、供述調書における微妙な訳のずれが、公判での致命傷となることがございます。

6.当事務所の解決実績と体制

当事務所では、こうした組織化事件における周辺関与者の主観的要件をめぐる争点について、豊富な解決実績がございます。事例B-1としては、特殊詐欺の出し子行為に関わったとされた20代女性につき、指示役からの欺罔・脅迫的状況・犯意の不存在を総合的に主張立証し、不起訴処分を獲得した事例がございます。事例A-1としては、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)の案件において、所持の故意・営利目的という主観的要件を徹底的に争い、無罪判決を獲得した事例がございます。同事例で蓄積した「客観的状況からの認識推認立証への反証経験」は、本記事の事件類型にも直接活かせるものでございます。さらに事例D-2としては、不法就労助長罪の冤罪事案において、「退去強制事由は故意・過失を要件としない」とする従来の入管実務に正面から挑み、責任主義の射程を行政処分にまで及ぼすべく現に係争中でございます。この論点は、本記事の事件類型における第二・第三の防御線構築にも決定的意義を有しております。

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。

さらに、提携の行政書士と協働し、刑事手続終了後の在留資格更新・変更等の手続にもワンストップで対応してまいります。

7.結語

組織化窃盗団における周辺関与者の法律上の地位は、極めて微妙でございます。共謀共同正犯の主観的要件、退去強制事由における故意・過失要件論、入管庁公表事例に基づく平等原則の適用 ― これら三層の防御線の構築こそ、松村大介弁護士が外国人刑事弁護において堅持する核心でございます。同種事案でお悩みのご本人・ご家族の方々におかれましては、どうぞ早期に当事務所へご相談くださいますようお願い申し上げます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

 

執筆者情報

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野といたしております。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有しております。

 

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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