中国籍の方が「替え玉受験・不正受験」で逮捕されたら|偽計業務妨害と在留資格のリスク
2026/06/01
中国籍の方が「替え玉受験・不正受験」で逮捕されたら|偽計業務妨害と在留資格のリスク
(本記事は2026年6月時点の情報に基づきます)
1. はじめに
このところ、大学入試やTOEICなどの資格試験をめぐり、中国籍の方が他人に代わって受験した、あるいは組織的な不正受験に関与したとされる報道が相次いでおります。SNSで誘われ、偽造した在留カードで本人になりすまして会場に入ったとされる例や、数十人が同じ住所で申し込んでいたとされる例も伝えられております。
替え玉受験は、決して「軽い出来心」で済む話ではございません。刑事処分のみならず、留学・就労などの在留資格をお持ちの外国人の方にとっては、これから先も日本に在留できるかどうかに直結いたします。本記事では、こうした嫌疑にご不安を抱えるご本人やご家族に向けて、想定される罪名と対応の道筋を、落ち着いてお伝えいたします。
2. 想定される罪名と手続の流れ
替え玉受験や組織的な不正は、事情により偽計業務妨害罪(刑法233条)に当たりうるほか、本人になりすまして受験番号や個人情報を入力したような場合には私電磁的記録不正作出・供用罪(刑法161条の2)に問われることもございます。偽造在留カードを用いた場合には、入管法上の在留カード偽造・行使に関わる罪も別途成立し得ます。
外国人の方が逮捕されますと、まず最長72時間の勾留前の留置があり、検察官が勾留を請求すると、さらに最長20日間の身柄拘束が続きます。この間に不利な供述調書が作られるのを防げるか、不起訴へ向けた組み立てができるかが、結末を大きく左右いたします。勾留が決まるまでの72時間が、特に重要でございます。
3. 外国人事件特有のリスク|強制送還と在留資格
留学や技術・人文知識・国際業務などの在留資格をお持ちの方が、替え玉受験の類型で1年を超える拘禁刑に処せられますと、入管法24条4号リの退去強制事由に該当しうるところとなります。ここで注意を要するのは、執行猶予が付された場合に一律に除外されるわけではなく、号ごとの構造を精査する必要がある点でございます。
退去強制に至らずとも、資格外活動や素行の評価が、在留期間の更新(入管法21条)の場面で不利に斟酌されることがございます。とりわけ偽造在留カードの使用は、在留資格への打撃が直接的でございます。
4. 不起訴処分の決定的な重要性
外国人事件の多くでは、執行猶予判決を得ても、結果として退去強制となってしまう例が少なくございません。そのため弁護活動は、起訴前の段階から不起訴処分の獲得を最優先の目標として組み立てる必要があり、執行猶予の獲得を最終目標とすべきではございません。
替え玉受験の類型では、「業務を妨害する」という故意の有無、誘われた際にどこまで認識していたか、欺罔や脅迫的な状況がなかったかが、起訴・不起訴を分ける鍵となります。検察官面談、意見書の提出、被害側との調整などを通じて、結末を変えられる場合がございます。
5. 初動で押さえておきたい3つのポイント
第1に、黙秘権を慎重に行使することでございます。出所のはっきりしない誘いをどう認識していたか、報酬の約束の具体的な中身などについて、事実が整理される前に不用意に供述しないことが大切でございます。
第2に、早期に弁護人を選任することでございます。当番弁護士制度の活用や私選弁護人の選任により、取調べの初期から弁護人が関与できます。
第3に、経験ある通訳の重要性でございます。捜査機関が指定する通訳は必ずしも法律用語に通じておらず、訳出のわずかなズレが、後の公判で致命傷となることがございます。
6. 当事務所のご案内と解決事例
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の依頼者を中心に、外国人刑事弁護の分野で経験を重ねてまいりました。
・観光目的で来日された相談者が日本人女性との間にお子様を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案で、婚姻・認知の手続を成立させたうえ、入管当局の過去の許可事例を分析し、難関とされた在留特別許可を一度で獲得した事例がございます。
・覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、徹底的な証拠分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得した事例がございます。営利目的の薬物事犯は法定刑が極めて重く、裁判員裁判対象の重大事件にも数多く対応してまいりました。
・特殊詐欺の出し子に関わったとされた20代女性について、指示役からの欺罔・脅迫的状況や犯意の不存在を総合的に主張し、不起訴処分を獲得した事例がございます。
とりわけ在留資格の存続がかかる局面では、当事務所が長く培ってまいりました入管実務の経験を生かし、刑事と入管を一体とした防御を組み立ててまいります。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。あわせて、提携の行政書士により、刑事手続終了後の在留資格の更新・変更等にもワンストップで対応いたします。
万一、強制送還の手続に進んでしまった場合にも、在留特別許可の獲得実績を踏まえて対応いたします。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更につきましても、提携の行政書士とともにワンストップでお手伝いいたします。接見・取調べの立会い・お打合せには、いつでも中国語通訳がご一緒いたします。
7. 結語
替え玉受験や組織的な不正受験の事件は、一見すると学業上のもめ事のようでありながら、その実、刑事処分と在留資格という二重の戦線にかかわります。早く動けば動くほど、ご本人に残せる選択肢は広がります。お近くにこうした状況の方がいらっしゃいましたら、どうかお一人で抱え込まず、外国人事件に通じた弁護士へ早めにご相談ください。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。
過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京を中心に刑事事件の弁護
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