舟渡国際法律事務所

外国人刑事事件FAQ

お問い合わせはこちら

外国人刑事事件FAQ

外国人刑事事件FAQ

2026/05/20

 

【第1章】逮捕直後・通訳・初動(Q1〜Q10)

Q1. 外国人の家族が日本で逮捕された。最初に何をすべきか。

A. 刑事弁護人を選任することが最初の判断となる。逮捕から48時間で検察送致、さらに24時間で勾留請求の判断、その後最長20日間の身柄拘束という時間軸の中で、勾留阻止・早期釈放・不起訴獲得を狙うには初動が結果を分ける。家族の面会には接見禁止が付くと制限がかかるが、弁護士は時間制限なく本人と接見できる。

Q2. 警察の取調べに通訳はつくか。

A. 一般的に通訳がつく。ただし、通訳の質には大きなばらつきがあり、専門用語のニュアンスが正確に伝わらないことや、本人の供述が原意と異なる形で調書化される事例も少なくない。供述調書に署名する際は、必ず弁護人を通じて内容を確認すべきである。

Q3. 通訳料は本人または家族が負担するのか。

A. 警察・検察の取調べ通訳費用は捜査機関側の負担、裁判所の通訳も国費負担となる。私選弁護人との接見・打合せにつき通訳が必要な場合は、弁護士費用に含まれるか別途見積もりとなる。当事務所は中国語ネイティブ対応のため、別途通訳料は発生しない。

Q4. 中国にいる家族からでも弁護を依頼できるか。

A. 可能である。WeChatでの相談、中国本土からの委任状作成、Alipay/WeChat Payでの費用送金まで対応している。日本国内に親族・知人が一人もいない事案でも、弁護活動の遂行に支障はない。

Q5. WeChat・微信で相談できるか。

A. 当事務所はWeChat ID「matsumua1119」を24時間受付している。中国語ネイティブスタッフ3名がシフトを組み、夜間・休日も対応する。テキスト・ボイス・写真送付すべて可能で、警察からの召喚状・逮捕状の写真を送れば即座に状況を把握できる。

Q6. 深夜・早朝・休日でも対応してもらえるか。

A. 緊急のご相談は24時間受け付けている。逮捕は時間を選ばずに起き、刑事弁護はスピードが結果を分ける。WeChat・LINE・電話で一次受付し、緊急性に応じ弁護士に直接エスカレートする体制を備えている。

Q7. 弁護士はいつ接見に来てくれるか。

A. 最短でお問い合わせ当日中に接見に伺う。逮捕直後の72時間は刑事弁護で最も重要な時間帯であり、当事務所はこの期間を逃さない体制を整えている。

Q8. 警察に連絡したいが、どの警察署にいるか分からない。

A. 弁護士を通じ、本人氏名・国籍・逮捕日からの逆引きで拘束場所を特定する手段がある。家族が知人・職場・大使館を経由しても判明しない場合でも、弁護人の権限で照会できる場合が多い。まずはご相談いただきたい。

Q9. 大使館・領事館に連絡はされるのか。

A. ウィーン領事関係条約上、本人の要請により大使館・領事館への通報がなされる権利がある。中国国籍の方は中国大使館・総領事館への通報を要請できる。ただし、領事館は弁護活動を行わないため、刑事弁護は別途私選弁護人の選任が必要となる。

Q10. 大使館員が接見に来てくれるか。

A. 領事関係条約上、領事は被拘禁者に面会する権利を有する。ただし、実際の運用としては時間枠が限られ、刑事弁護そのものは行わない。生活物資の差入れや本国家族への状況通報など、限定的なサポートに留まる。

【第2章】取調べ・接見・面会(Q11〜Q20)

Q11. 弁護士の接見と家族の面会の違いは。

A. 弁護士の接見は接見禁止下でも実施可能で、時間制限・回数制限・立会人なしで本人と話せる。家族の面会は通常15〜20分・警察官立会・通訳必要の制約があり、接見禁止が付くと完全に遮断される。弁護人だけが本人と自由に意思疎通でき、外部との唯一のパイプとなる。

Q12. 「接見禁止」とは何か。なぜ家族が会えないのか。

A. 接見禁止とは、勾留中の被疑者に対し、家族や知人を含む弁護人以外の者との面会・通信を禁ずる裁判官の決定である。共犯者との口裏合わせや証拠隠滅を防ぐ目的で、特に組織的犯罪・薬物事件・外国人事件では付されやすい運用となっている。弁護人による接見禁止の一部解除申立てや準抗告で対応する。

Q13. 接見禁止を解除する方法はあるか。

A. 弁護人による接見禁止一部解除申立てまたは準抗告により、家族や特定の者への一部解除を求めることができる。家族との関係性、証拠隠滅のおそれの不存在、本人の精神的安定の必要性などを資料化して立証する。

Q14. 取調べで黙秘権を行使すべきか。

A. 一般論として、捜査初期段階では黙秘が有利に働く場合が多い。特に日本語が完全でない状態での取調べは、ニュアンスの誤伝で不利な調書が作成されるリスクが高く、供述するか否かは弁護人助言を踏まえて判断すべきである。

Q15. 供述調書にサインしてしまった。覆せるか。

A. 供述調書にサインすると、後の公判で内容を覆すのは困難になる(刑訴法321条1項2号により証拠能力が認められやすいため)。ただし、供述の任意性・特信性を争う、外国人特有の言語理解の問題を立証することで、調書の信用性を弾劾できる場合がある。

Q16. 取調べでの暴行・脅迫があったが、どうすればよいか。

A. 接見時に弁護人に詳細を伝えていただきたい。違法捜査の主張は公判での重要な防御方法となり、自白の任意性を否定する根拠となる。当事務所は違法取調べの追及実績がある。

Q17. 弁護士は何回でも接見できるか。

A. 回数制限はない。当事務所は事件初期段階で集中的に接見し、その後も必要に応じて頻繁に接見する。重大事件では2日に1回ペースの接見も珍しくない。

Q18. 接見で日本語と中国語のどちらで話すのか。

A. 当事務所は中国語ネイティブ対応のため、本人の希望言語で接見する。中国語・日本語・英語のいずれでも可能である。通訳を介さない直接対話により、ニュアンスを完全に把握できる。

Q19. 差し入れはできるか。何を差し入れできるか。

A. 弁護士を通じ、書籍・現金・衣類などの差し入れが可能である(警察署ごとに細則あり)。接見禁止下でも、適法な範囲での差し入れ手配は当方で代行する。

Q20. 本人に伝言を伝えてもらえるか。

A. 弁護人の接見時に、ご家族からの伝言を本人にお伝えする。逆に、本人からご家族への伝言も中国語のまま正確にお伝えする。

【第3章】刑事手続・勾留・保釈(Q21〜Q30)

Q21. 逮捕されると最長で何日間拘束されるか。

A. 逮捕後48時間以内に検察送致、その後24時間以内に勾留請求判断、勾留決定から原則10日、延長で最大10日、合計で逮捕から起訴・不起訴判断まで最長23日間となる。さらに起訴後に保釈が認められない場合、判決まで身柄拘束が続く。

Q22. 「勾留」とは何か。回避できるか。

A. 勾留は検察官の請求に基づき裁判官が決定する10日間(延長で最大20日間)の身柄拘束である。住居不定・罪証隠滅のおそれ・逃亡のおそれのいずれかが認められる場合に発令される。当事務所は勾留決定前に意見書を提出し、勾留請求却下や準抗告での取消しを目指す。外国人事案では「逃亡のおそれ」が定型的に主張されやすいため、身元引受人・在留資格・生活基盤の立証が要となる。

Q23. 「不起訴」と「起訴」の違いは。外国人にとって何が変わるか。

A. 起訴は検察官が公訴を提起することで、起訴されれば刑事裁判となり前科がつく。不起訴は事件を裁判にかけない処分で前科は残らない。外国人にとっては、有罪率99%超の日本刑事司法の現実を考えると、起訴された時点で在留資格への影響が高い確率で生じる。不起訴獲得が事実上の最大の防御線となる。

Q24. 「示談」とは何か。外国人事案でも有効か。

A. 示談とは、被害者に対し謝罪と弁償を行い、宥恕(許し)の意思表示を得る合意である。示談成立は不起訴処分・執行猶予・量刑減軽の重要な事情となる。外国人事案でも有効だが、被害者が「外国人だから示談に応じたくない」と感情的に拒否する場合もあり、弁護人の交渉力が問われる場面となる。

Q25. 保釈は使えるか。保釈金はいくら必要か。

A. 起訴後は保釈請求が可能で、認められれば保釈金を納付して身柄釈放される。保釈金の相場は150万〜300万円、重大事件では500万円以上もある。外国人被告人は「逃亡のおそれ」を理由に保釈が却下されやすい傾向にあり、パスポート預け入れ・身元引受人の確保・住居の特定など、徹底した立証戦略が必要となる。

Q26. オーバーステイ中に逮捕された場合、保釈はできるか。

A. 起訴後の保釈申請自体は可能だが、定まった住居を有しないと評価されやすく、保釈不許可となる確率が高いのが実情である。仮に保釈が許可されても、入管に身柄が引き渡され入管収容施設に収容される可能性が高いため、戦略の組み立てに注意が必要となる。

Q27. 起訴前の勾留が満了したら釈放されるか。

A. 不起訴処分となれば刑事手続きとしては釈放される。ただし、オーバーステイなど退去強制事由がある場合、そのまま入管に身柄が引き渡され入管収容施設に移送される。これは外国人刑事事件の出口で最も誤解されやすい論点である。

Q28. 「裁判員裁判」になるのはどんな事件か。

A. 故意に人を死亡させた事件、または最高刑が無期懲役以上の犯罪では、裁判官3人と一般市民から選ばれた裁判員6名の合議で裁判が行われる。外国人被告人の裁判員裁判では、文化的背景の説明、適切な通訳の確保、量刑相場の立証など、専門性が一段と要求される。

Q29. 控訴・上告はできるか。

A. 第一審判決に不服があれば控訴審(高等裁判所)への控訴、控訴審判決に不服があれば上告審(最高裁判所)への上告が可能である。外国人事案では、判決確定までの時間を最大限活用し、在留特別許可申請の準備や生活基盤の強化を並行して進める長期戦略が有効となる。

Q30. 略式命令とはなにか。罰金で済むなら払うべきか。

A. 略式命令は、被疑者が同意した上で公判を開かず書面のみで罰金等を命じる略式手続である。一見簡便だが、罰金前科として在留資格更新時の不利益事情になり得るため、外国人事案では安易に略式に同意せず、不起訴獲得を目指すべきケースが多い。

【第4章】在留資格・退去強制(Q31〜Q45)── 最重要章

Q31. 退去強制(強制送還)とは何か。

A. 日本が在留を認めないと判断した外国人を、行政手続で日本領域外へ送り返す処分である。根拠は入管法24条で、不法入国・不法残留・資格外活動の専従・特定の刑罰法令違反などが列挙されている。刑事罰と異なり、退去強制の判断は故意・過失の有無を要件としない行政処分である点を押さえておく必要がある。

Q32. 退去強制と強制送還は同じか。

A. 実務上はほぼ同義で用いる。法律用語としては「退去強制」が正式名称、「強制送還」は退去強制処分の執行(実際に本国に送り返す段階)を指す通称である。

Q33. 執行猶予判決がついても強制送還されることはあるか。

A. ある。外国人刑事事件で最も誤解されているのがこの点である。

入管法24条4号リは無期または1年を超える懲役・禁錮の判決を退去強制事由とするが、ここは執行猶予付き判決を除外している。しかし、同条4号チ(薬物事犯)や4号の2(別表第一在留資格保有者の特定刑法犯)など、執行猶予付き判決でも強制送還のリスクがある類型が複数存在する。

「執行猶予さえ取れれば日本で生きていける」と説明する日本人弁護士に依頼した結果、依頼者が日本での生活を失う事例は後を絶たない。

Q34. 在留資格が取り消される条件は何か。

A. 入管法22条の4に列挙されている。虚偽申請による取得、活動の不継続(3か月以上)、配偶者活動の不継続(6か月以上)、住居地届出義務違反などが該当する。刑事処分は在留資格取消の直接事由ではないが、退去強制処分が確定すれば実質的に在留資格を失うことになる。

Q35. 罰金刑でも強制送還されるのか。

A. 一般の罰金刑単体では退去強制事由に該当しないことが多い。ただし、入管法違反による罰金や薬物関連法令違反による罰金は退去強制事由に直結する。罰金前科は在留期間更新時の素行要件にも影響し、累積すれば在留資格の更新拒否事由になり得る。

Q36. 不起訴処分なら在留資格には影響しないか。

A. 影響しない、とは言い切れない。

不起訴処分は前科にはならないが、捜査履歴自体は在留期間更新・在留資格変更・永住許可申請・帰化申請の素行要件審査で考慮されうる。重大事件では、不起訴処分後にそのまま入管に身柄が引き渡される運用も現にある。

Q37. 永住者でも強制送還されるか。

A. 強制送還のリスクがある。永住者・特別永住者でも、入管法24条の退去強制事由に該当すれば対象となる。

実務上、永住者への退去強制は限定的な運用となっているが、薬物事件・重大刑事事件では現実化する事例がある。永住資格の安全神話は、依拠すべきではない。

Q38. 特別永住者(在日コリアン等)も強制送還されるか。

A. 特別永住者は「入管特例法」(日韓平和条約に基づく特例法)により、一般外国人より退去強制事由が大幅に絞られている。内乱罪・外患罪・国交罪・国益または公安を害する罪など、限定的事由のみが対象となる。

Q39. 「日本人の配偶者等」の在留資格でも強制送還されるか。

A. 強制送還のリスクがある。在留資格の種別は退去強制事由該当性を阻却しない。

ただし、日本人配偶者・実子の存在は、在留特別許可の判断における重要な積極要素となる。

Q40. 「不法滞在者ゼロプラン」とは何か。影響は。

A. 出入国在留管理庁が2025年5月に公表した政策パッケージで、退去強制手続の迅速化・送還実務の強化・帰国支援の充実を内容とする。

退去強制事由(入管法24条)の定義そのものを変更するものではない。しかし、運用面での執行強化により、従来は見逃されてきた軽微事案でも強制送還のリスクが顕在化しやすくなっている点に注意が必要である。

Q41. 故意・過失がなくても強制送還されるのか。

A. 原則として、退去強制処分は刑事罰と異なり、故意・過失を要件としない。

ただし、当事務所は「責任主義の射程と入管法24条の構造論」に関する憲法論を最高裁に提起しており、故意・過失要件の必要性を争う先進的訴訟を担当している(詳細記事)。本領域では国内でも数少ない専門性を有する。

Q42. 退去強制になっても日本に再入国できるか。

A. 退去強制処分を受けると、原則として上陸拒否期間(5年または10年)が設定され、その間は日本に入国できない。一部事案では永久に上陸拒否となる。

配偶者・子が日本にいるケースでは、再入国を見据えた在留特別許可申請または上陸特別許可申請を最優先で検討すべきである。

Q43. 帰化申請中に刑事事件を起こすとどうなるか。

A. 帰化申請は事実上停止または不許可となる可能性が高い(国籍法5条1項3号の素行要件)。

不起訴処分であっても、捜査履歴自体が帰化審査に影響しうる。刑事弁護と並行して、帰化申請の戦略再構築が必要となる。

Q44. 退去強制手続の流れを教えてほしい。

A. 違反調査(入管職員による調査)、違反審査(入国警備官による違反事実の認定)、口頭審理(本人申請による不服審査)、異議申出(法務大臣への不服申出)、在留特別許可の判断、退去強制令書発付、送還——という7段階の流れとなる。各段階で弁護士による反論・立証の機会がある。

Q45. 退去強制令書が出された後でも争えるか。

A. 退去強制令書発付処分に対しては、行政訴訟(取消訴訟・無効確認訴訟)および執行停止申立てが可能である。仮放免申請と並行することで、送還を一時停止した状態で本案訴訟を継続できる。当事務所はこの分野での実績がある。

【第5章】在留特別許可・仮放免・監理措置(Q46〜Q55)

Q46. 「在留特別許可」とは何か。

A. 退去強制事由に該当する外国人に対し、法務大臣(出入国在留管理庁長官)が特別に在留を許可する裁量処分である。家族関係(日本人配偶者・実子)、在留歴の長さ、生活基盤、本人の更生可能性などを総合判断する。刑事手続と並行して在留特別許可を見据えた立証を進めることが、有罪が見込まれるケースでの最後の砦となる。

Q47. 在留特別許可の判断基準は。

A. 出入国在留管理庁が「在留特別許可に係るガイドライン」(令和6年3月改定)を公表しており、積極要素(日本人・永住者の配偶者、日本生まれ・長期在留の実子、難病等の医療事情、人身取引被害等)と消極要素(重大犯罪、複数回違反、退去命令違反等)を総合判断する旨を示している。最新ガイドラインに沿った立証構成が必要となる。

Q48. 「仮放免」とは何か。

A. 仮放免とは、入管収容施設に収容されている外国人を、健康・人道上の理由などにより一時的に収容を解く制度である。保証金(最高300万円)の納付と身元保証人の確保が条件となる。仮放免中も退去強制手続は継続するが、収容を解かれて本案訴訟・在留特別許可申請の準備が可能となる。

Q49. 「監理措置」とは何か。

A. 令和5年(2023年)改正入管法で導入された制度で、収容に代えて支援者(監理人)の監督のもとで生活できる仕組みである。長期収容の弊害を回避する目的で創設された。監理人の選任、生活・出頭の遵守事項などが定められる。

Q50. 出国命令制度とは何か。

A. 不法残留者のうち、自ら出頭し、過去に退去強制処分歴がなく、入管法上の重大犯罪歴がない者については、退去強制ではなく出国命令により出国できる制度である(入管法55条の2以下)。退去強制の場合の上陸拒否期間(5年/10年)が、出国命令の場合は1年に短縮される。自首相当の選択肢として実務上重要となる。

Q51. 在留特別許可を申請できる人は。

A. 退去強制手続中の外国人で、退去強制事由に該当することを認めた上で、それでも在留を求める者である。「不法残留を認める→出頭する→在留特別許可を求める」という流れになる。出頭前から弁護士に相談し、立証準備を整えてから出頭することが重要となる。

Q52. 在留特別許可の許可率はどれくらいか。

A. 公表される統計は限定的だが、家族要件(日本人配偶者・実子)を備えた事案では比較的高い許可率が示されている。一方、家族要件を欠く事案、薬物事犯歴のある事案、複数違反歴のある事案は許可率が低下する。最新ガイドライン(令和6年3月)に沿った立証戦略が結果を分ける。

Q53. 退去強制された後、配偶者・子のいる日本に再入国する方法はあるか。

A. 上陸拒否期間中(5年または10年)に再入国するには、「上陸特別許可」(入管法12条)の取得が必要となる。一般に、配偶者ビザ申請の際に上陸特別許可の事情を疎明することで取得を目指す。許可は法務大臣の裁量で、家族関係の安定性、本人の更生、過去の違反の悪質性などが審査される。

Q54. 難民申請中でも強制送還されるか。

A. 原則として送還停止効が働く(入管法61条の2の6)。ただし、令和5年改正により3回目以降の難民申請や、テロリスト・重大犯罪者は送還停止効の例外とされた。難民申請の真正性・継続性の立証が問われる場面となる。

Q55. 仮放免中に再犯したらどうなるか。

A. 仮放免取消しとなり再収容、退去強制が促進される。新たな刑事事件で起訴され有罪となれば、在留特別許可の積極要素を大きく失う。仮放免中は遵守事項を厳格に守ることが必要となる。

【第6章】弁護士選び・費用・依頼の流れ(Q56〜Q65)

Q56. 中国語ができれば誰でも刑事弁護を任せて大丈夫か。

A. 大丈夫とは言えない。中国語対応は前提条件にすぎず、本質は「中国人刑事事件特有の論点を理解しているか」である。入管法・在留資格手続の精通度、退去強制を見据えた量刑戦略の知見、中国の文化・商習慣の理解、中国本土家族との連携体制、これらすべてを兼ね備えた弁護士を選ぶべきである。

Q57. 国選弁護人でもいいのではないか。

A. 国選弁護人にも有能な方は多くいるが、弁護人を選べない、中国語対応者に当たる保証がない、入管法に通じている保証がない、接見回数や事件への投入時間に実質的制約がある、という構造的限界がある。重大事件・在留資格が問題となる事件では私選への切り替えを強く勧める。

Q58. すでに国選弁護人がついているが、私選に切り替えられるか。

A. 可能である。国選から私選への変更は被疑者・被告人の権利として保障されている。当事務所での受任後、弁護人選任届を提出することで切り替えが完了する。途中段階での切り替えでも、当方が事件を引き継ぎ、新たな弁護戦略を組み直す。

Q59. 大手法律事務所と専門事務所、どちらが良いか。

A. 中国人刑事事件のように専門性が高く、入管法と刑事弁護双方の知見を要する分野では、専門特化した事務所のほうが結果を出しやすい傾向がある。大手は組織力で勝るが、案件ごとの担当弁護士の専門性は配属次第である。代表弁護士本人が中国人刑事事件に専門特化している事務所を選ぶことが確実となる。

Q60. 弁護士費用はいくらかかるか。

A. 事件の罪名・複雑性・拘束期間により異なる。一般的な刑事弁護で着手金50〜100万円、報酬金30〜100万円が目安となる。在留資格関連手続きや控訴審・最高裁案件は別途見積もりとなる。費用は契約前に必ず明示書面で提示し、依頼後の追加請求がないよう透明性を確保する。

Q61. 中国国内からの送金で支払えるか。WeChat Pay/Alipayは使えるか。

A. 銀行送金、WeChat Pay、Alipayでのお支払いに対応している。中国本土からの送金規制(外貨管理法)に配慮した分割払いや、香港経由送金など、依頼者の状況に応じた送金方法を相談できる。

Q62. 不起訴になれば費用は減るか。

A. 不起訴獲得時の報酬金体系を明示している。起訴前の不起訴獲得は最も価値の高い成果であり、その達成に対する報酬金は契約時に明確化する。結果が出なかった場合の報酬金は発生しない。

Q63. 着手金が払えない場合は。

A. 分割払い、第三者支払い(中国の家族からの送金)、案件の段階分け(接見のみの初期スポット契約)など、依頼者の状況に応じた支払い方法を協議する。経済的事情で諦めるのではなく、まず一度ご相談いただきたい。

Q64. 地方在住者でも依頼できるか。

A. 北海道から沖縄まで全国対応している。逮捕地が地方であっても、当事務所弁護士が現地警察署・拘置所での接見、現地裁判所での弁護活動を遂行する。リモート相談はZoom・WeChat・LINEで実施する。

Q65. 中国本土在住の家族と直接連絡を取ってもらえるか。

A. 可能である。中国語ネイティブスタッフがWeChat・電話で中国本土の家族と直接連絡を取り、進捗報告・必要書類の取得・送金手続きの調整を行う。中国時間の夜間(日本時間深夜)の連絡にも対応する。

【第7章】帰化・再入国・上陸特別許可(Q66〜Q70)

Q66. 帰化申請中に刑事事件を起こした。今後どうすべきか。

A. 帰化申請は不許可となる可能性が高くなる(国籍法5条1項3号の素行要件)。刑事弁護で不起訴または無罪を獲得することが第一であり、それでも帰化が困難となった場合は、永住許可申請への切り替えや在留期間の維持戦略に切り替える必要がある。

Q67. 過去にオーバーステイで執行猶予判決を受け、帰国した。再入国できるか。

A. 退去強制歴がある場合、上陸拒否期間(通常5年または10年、悪質な場合は永久)が設定されている。期間経過後の通常入国、または期間内の上陸特別許可の取得が必要となる。日本人と結婚し配偶者ビザを申請する際に、上陸特別許可の事情を疎明する形が一般的である。

Q68. 上陸特別許可とは何か。

A. 上陸拒否事由に該当する外国人に対し、法務大臣の裁量で特別に上陸を許可する処分である(入管法12条)。日本人配偶者の存在、過去の違反の悪質性、本人の更生状況、家族の生活実態などが審査される。

Q69. 上陸拒否期間中の入国を試みるとどうなるか。

A. 入国審査時に発覚すれば上陸拒否となり、強制的に出国させられる。さらに、虚偽申告による入国を試みれば不法入国罪(入管法70条)として刑事責任を問われ、上陸拒否期間が延長または永久化される可能性がある。

Q70. 「現代の弁護士像」に選ばれた弁護士とのこと。具体的な実績は。

A. 当事務所代表・松村大介弁護士は「現代の弁護士像 社会を支えるプロフェッショナル達」第1弾に選出された(弁護士JP・2025年10月)。代表的実績として、大阪高裁にてストーカー規制法の文書警告について警察庁公式解釈を覆す判決を獲得(令和6年6月26日)、茨城県公安委員会にて審査請求書提出からわずか9日で銃刀法仮領置処分撤回の裁定獲得(令和8年5月11日)、取り込み詐欺被害事件で解決金7,500万円獲得、不法就労助長事件で「故意・過失不要論」を覆す憲法論を最高裁係属中、などがある。

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。