舟渡国際法律事務所

中国人留学生・若年華人が特殊詐欺の「受け子」「出し子」で逮捕されたら——不起訴処分の獲得を最優先目標として在留資格を守るために

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中国人留学生・若年華人が特殊詐欺の「受け子」「出し子」で逮捕されたら——不起訴処分の獲得を最優先目標として在留資格を守るために

中国人留学生・若年華人が特殊詐欺の「受け子」「出し子」で逮捕されたら——不起訴処分の獲得を最優先目標として在留資格を守るために

2026/05/17

中国人留学生・若年華人が特殊詐欺の「受け子」「出し子」で逮捕されたら——不起訴処分の獲得を最優先目標として在留資格を守るために

一 報道の概要と本記事の背景

2026年5月、警察当局はカンボジアを拠点とする中国系大規模詐欺組織(いわゆるプリンスグループ)の幹部が日本に出入国を繰り返していたとみられる事案について新たな捜査を進めていると報じられました。同時期、千葉県内の民泊施設が捜索を受け、特殊詐欺(オレオレ詐欺)事件の被疑者3名が逮捕されたとも報じられております。

これら一連の報道に共通しているのは、組織の末端で現金引出し(出し子)や被害者からの現金受取り(受け子)を担う「現場実行役」が、在日中国人留学生・若年の技能実習生・短期で来日した中国籍青年によって構成されているケースが少なくない、という構造でございます。SNS上の「高時給・短期・単発」を謳う募集に応じて現場に赴き、数日のうちに逮捕されてしまう若年者の方が後を絶ちません。

本記事では、こうした「気づかぬうちに詐欺組織の末端に組み込まれて逮捕されてしまった」中国籍の若年者ご本人および中国本土・日本国内のご家族の方々に向けて、日本の刑事手続と入管手続の二つの視点から、初動対応のあり方を整理させていただきます。

二 逮捕後の刑事手続の流れ——勾留決定までの72時間が分岐点

日本の刑事手続は、おおむね「警察段階(48時間以内)→検察送致段階(24時間以内)→勾留請求・勾留決定段階(最大10日+10日)→起訴または不起訴処分」という流れで進行いたします。逮捕直後の72時間以内に弁護人をお選びいただけるか否かが、その後の勾留決定・起訴処分・最終結果に決定的な影響を及ぼします。

特殊詐欺事件においては、警察は窃盗罪(他人名義口座からの引出し)、詐欺罪(被害者からの現金受取り)、電子計算機使用詐欺罪などを罪名として立件することが一般的でございます。共謀共同正犯の論理により、現場実行役の方が組織全体の実態を把握していなかったとしても、詐欺全体への共同正犯としての罪責を問われうる構造になっております。

警察・検察の取調べでは、現場実行役の方に対し「素直に話せば寛大に扱う」「黙っていればより重い処罰になる」といった心理的圧力が加えられる場面もございます。しかしながら、弁護人による助言を十分に聴取しないままご署名された供述調書は、後の公判で取り返しのつかない不利益証拠として残ってしまいます。

三 外国人事件特有のリスク——強制送還(退去強制)

中国籍の若年者の方にとり、刑事処分以上に深刻なリスクが強制送還(退去強制)でございます。入管法24条に列挙された退去強制事由のうち、特殊詐欺事件に関連する主な類型は以下のとおりです。

  • 入管法24条4号リ:「無期又は1年を超える拘禁刑」に処せられた者——刑事公判で執行猶予判決を獲得した場合であっても、4号リの適用の余地が残ります(執行猶予全部の場合には除外規定がございますが、号ごとの構造の精査が必要でございます)
  • 入管法24条4号ロ:刑罰法令に違反して拘禁刑に処せられた者——資格外活動関連の類型で問題となります

すなわち、「執行猶予判決を獲得すれば日本に居続けられる」とは限らないという点が、外国人事件特有の最大の落とし穴でございます。中国籍の若年者の方にとり、刑事手続の最優先目標は「執行猶予判決」ではなく、「起訴前段階での不起訴処分の獲得」に置くべきでございます。

加えて、退去強制事由の判断について、入管実務では従来「故意・過失を要件としない」とされてまいりました。しかし、本所の松村大介弁護士は、現在係争中の不法就労助長事件(蘇さんの事案)において、この長年の実務に正面から挑戦し、「退去強制事由の判断にも責任主義の射程が及ぶ」「故意・過失なくして行政処分を課すことは憲法31条(適正手続)、13条(個人の尊重)、14条1項(平等原則)に違反する」との主張を展開しております。現場実行役の事件においても、「詐欺目的の未必の故意があったか否か」という争点を刑事段階で徹底的に争うことが、後の入管手続における第二の防御線として極めて重要な意味を持ちます。

四 なぜ不起訴処分の獲得が中国籍若年者にとり決定的に重要か

特殊詐欺事件において、現場実行役の方が「組織全体の実態を把握していなかった」「指示役から欺罔または威迫を受けていた」「報酬が低額であった」といった事情をお持ちのケースは稀ではございません。これらの主観的事情を勾留期間満了前までに検察官に対し十分に主張し、必要な疎明資料をご提出することで、不起訴処分(嫌疑不十分・起訴猶予)が得られた事例も少なくございません。

本所の松村大介弁護士が担当した案例B-1では、特殊詐欺の出し子に関わったとされた20代女性について、依頼者の主観的事情(指示役からの欺罔・威迫的状況、犯意の不存在等)を総合的に主張し、不起訴処分を獲得いたしました(出典:about-me.md、弁護士JP公開資料)。また案例B-2では、特殊詐欺の受け子で複数回再逮捕された事案において、徹底した取調べ対応・不当取調べへの抗議・主張立証を通じて、全件について不起訴処分を獲得した実績がございます(出典:弁護士ドットコム)。

中国籍の若年者の刑事弁護においては、「不起訴処分の獲得」を最優先目標とすべきでございます。「執行猶予判決の獲得」のみを目標とする弁護方針は、結果として判決後に入管収容施設に身柄を移され、強制送還に至る事案を生み出してまいりました。入管法の解釈に精通していない弁護士の選任は、結果として依頼者の在留資格喪失につながる重大な弊害をもたらすおそれがございます。

五 初動対応で押さえておきたい三つのポイント

5-1 黙秘権の行使

警察の取調べでは、ご自身に不利な事項につき供述する義務はございません。弁護人のご助言を伺う前に、軽率に供述調書にご署名なさらないことが肝要でございます。中国籍の被疑者の方の場合、日本語理解の程度や捜査機関側通訳の質に差異があり、わずかな訳出のずれが後の公判で致命傷となることがございます。

5-2 早期の弁護人選任

日本では「当番弁護士」制度が設けられており、逮捕されたご本人は一度に限り無料で弁護士の接見を求めることができます。ご本人またはご家族から、警察・検察または弁護士会(東京三会:東京・第一東京・第二東京)に当番弁護士の派遣をご請求いただければ手続が開始されます。当番弁護士の接見を経たうえで、正式な弁護人選任契約を締結するか否かをご判断いただく形でございます。

5-3 専属中国語通訳を擁する弁護士の選任

警察・検察が指定する通訳人は、必ずしも法律用語に精通しているとは限らず、立場として「捜査機関側」に属する通訳人でございます。供述調書中の一語の差異が、公判で取り返しのつかない不利益証拠となることがございます。外国人事件に精通した中国語専属通訳を擁する弁護士をお選びいただくことで、ご本人の立場から訳出の正確性を担保することが可能となります。

六 舟渡国際法律事務所のご案内と解決事例

当事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、弁護士松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が主宰し、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野としております。

特殊詐欺事件における主な解決実績

案例B-1:特殊詐欺の出し子に関わったとされた20代女性につき、依頼者の主観的事情(指示役からの欺罔・威迫的状況、犯意の不存在等)を総合的に主張し、不起訴処分を獲得した事例がございます(出典:弁護士JP「松村大介弁護士 犯罪・刑事事件での強み」)。

案例B-2:特殊詐欺の受け子で複数回再逮捕された事案において、徹底した取調べ対応・不当取調べへの抗議・主張立証を通じて、全件について不起訴処分を獲得した事例がございます(出典:弁護士ドットコム「松村大介弁護士 主な案件・実績」)。

案例E-1:当事務所は、国際刑事事件・裁判員裁判対象事件・世界的に報道された重大事件への対応経験を豊富に有しております。中国籍の依頼者の重大事件にも数多くお応えしてまいりました(出典:弁護士JP、ココナラ法律相談)。

万一強制送還手続に進んでしまった場合

刑事手続終了後に入管収容され強制送還の危機に瀕した場合も、当事務所は引き続き在留特別許可申請を担当することができます。案例D-1では、在留資格を喪失し不法滞在で逮捕・起訴された依頼者(日本人女性との間にお子様が出生し、認知・婚姻手続が未了であった事案)について、憲法的観点からの当局交渉と有利証拠の収集により、難関とされた在留特別許可を「1発」で獲得した実績がございます(出典:弁護士ドットコム「難関な在留特別許可に成功」)。

当事務所の最大の特徴

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。さらに、提携の行政書士による在留資格・ビザサポートにも一貫してご対応いただける体制を整えております。

七 結語——SNS上の高額報酬広告にはくれぐれもご注意を

中国人留学生・若年華人の方々にとり、SNS上の「高時給・短期・単発」の募集広告は、知らぬ間に特殊詐欺に巻き込まれる入口となりやすい類型でございます。一度逮捕されてしまえば、刑事処分と強制送還の双方のリスクが瞬時に現実化いたします。

「執行猶予判決の獲得」は、中国籍の若年者にとり終点ではございません。起訴前の段階から「不起訴処分の獲得」を最優先目標に据え、専属中国語通訳を擁する弁護人を通じて主観的事情を徹底的に主張・立証することが、在留資格をお守りする最も現実的な道筋でございます。

本記事は一般的な解説でございまして、個別具体的な事案については、弁護士に直接ご相談ください。

本記事に紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

 

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网站:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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