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【メディア掲載】岩波書店『世界』2025年12月号「ストーカー対策最前線」(後編)

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【メディア掲載】岩波書店『世界』2025年12月号「ストーカー対策最前線」(後編)

【メディア掲載】岩波書店『世界』2025年12月号「ストーカー対策最前線」(後編)

2025/11/09

 本日はストーカー事件に関する重要な記事が掲載されましたのでご報告いたします。

 

 タイトルのとおり、岩波書店の「世界」という月刊誌で「ストーカー対策最前線」という記事が公表されています。この記事では前編(11月号)、後編(12月号)に分けて、ストーカー対策についての特集記事が掲載されています。

 

 著者の内澤旬子氏は、ご自身が深刻なストーカーの被害に遭った実体験を有する方です。その被害の全貌は、「ストーカーとの700日戦争」という書籍にまとめられています。本当にストーカーの被害に遭った内澤氏でなければ語ることはできない、臨場感ある触れるタッチでストーカーの恐怖が克明に記されています。

 

 今回の記事は前編と後編に分かれて構成されています。

 前編では、ストーカーの被害者の観点から、被害者に向けたアドバイスが掲載されています。どのアドバイスも実践的で被害者の方に有益であると思います。

 

 後編では、私が取材を受けました。私の代表案件として、ストーカー警告事件があります。

 

 この事件はマスコミでも大体的に取り上げられている案件です。ストーカー規制法4条1項のストーカー警告(文書警告)は、警告申出者(被害者)の申出に基づき、警察署長等が、ストーカーの行為者(とされた方)に対して、具体的な個々の行為を捉えて、「更に当該行為をしてはならない」旨を文書により伝達するものです。

 

 ストーカー対策が叫ばれる中、警察としてもストーカー事件に対して、深刻な被害を未然に防ぐため、迅速にストーカー警告を発令する傾向があります。それはある意味致し方のない側面もあり、ストーカー事件の場合、どの事件もエスカレートする危険性を秘めているからです。

 

 しかし、これが行き過ぎる場合、やってもいないのに警察からストーカー行為をしたと扱われて、ストーカー警告が発令されてしまうという問題が生じます。これが「ストーカー冤罪」の問題です。

 

 ただし、従来の警察実務では、ストーカー警告は裁判の対象とならない「行政指導」と理解されていました。「行政指導」というのは警察方のお願いにすぎないということです。しかし、現実には、ストーカー警告は、法解釈上も、実質上も、単なるお願いでは説明できない「威力」を秘めているのです。

 

 この問題に立ち向かったのが私が弁護団長を務めたストーカー警告事件です。

 この訴訟では警察組織と真正面から戦い、まさに激戦を繰り広げました。警察は、ストーカー警告は何らの法的効果のない行政指導であると主張してきましたが、私は、法体系を横断的に分析し、徹底抗戦しました。その結果、令和6年大阪高裁は、私の主張を採用し、「ストーカー警告には法的効力がある」と異例の判断を下したのです。


 後編の記事では、これまでも解説している通り、ストーカー冤罪を争う方法について取り上げていただいています。

 前編ではストーカーの被害者保護の観点から対処法が掲載されていますが、これが行きすぎるとストーカー冤罪を生む温床となりかねません。

 そして、令和6年大阪高裁でも示唆されたとおりストーカー警告に処分性を正面から認めることで、警察が動かない場合に被害者に新たな救済手段を切り開き、かつ、ストーカー冤罪の場合に冤罪を晴らすルートを切り開くことにつながるということを論じています。

 

 ストーカーの被害者の方、冤罪の方、加害者の方ともに非常に有益な記事ですので、前編、後編とも是非ご覧ください。

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