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在留資格を失わないための弁護方法

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在留資格を失わないための弁護方法

在留資格を失わないための弁護方法

2025/09/24

1 はじめに

 今回は、外国人の刑事事件で注意すべき事項を解説します。

 外国人が日本で適法に滞在するためには、入管法に基づき一定の在留資格(ビザ)を取得することが必要です。外国人が刑事事件を起こした場合、一定の有罪判決を受けた場合、在留資格を失い、強制送還の対象となる可能性があります。

 わかりやすく説明をすると、逮捕、不起訴処分、罰金刑の場合には在留資格を失わないことが多く、拘禁刑(旧:懲役刑)の場合には在留資格を失うと考えてください。

 ここで注意すべきは、執行猶予判決の場合でも、拘禁刑の有罪判決を受けてしまった場合、在留資格を失う可能性があります。

 

2 罪名を争う

 犯罪の中には、拘禁刑のみで罰金刑が定められていない犯罪もあります。この犯罪で起訴されてしまうと、罰金刑の選択の余地がありませんので、強制送還の対象となる可能性が非常に高いというべきです。例えば、詐欺罪の場合には、罰金刑は存在しませんので、詐欺罪で起訴された場合には、強制送還の対象となる可能性が非常に高くなります。逆に、窃盗罪であれば、罰金刑の選択肢も残されていますので、弁護の方法によっては在留資格を失わない可能性も残されています。

 ある具体的な行為が、窃盗罪に該当するのか、詐欺罪に該当するのか微妙なケースも存在します。ですので、このような罪名の評価を争う価値がある場合には、罰金刑の選択の余地を残すために、罪名を争うことも選択肢に入れるべきです。

 

3 起訴された場合でも、量刑を争う

 裁判例の中には、罰金刑と拘禁刑のどちらの可能性もある事案で、被告人が資格喪失による不利益を考慮して、罰金刑を選択した事案もあります。このような主張が採用され罰金刑になった場合、在留資格を失うことはありません。したがって、地裁で拘禁刑判決を受けて在留資格を失う判決を受けてしまった場合でも、控訴審段階でこのような量刑不当の主張を行うことを強くお勧めします。

 弊所では控訴審段階からのご依頼も数多く対応していますが、このような量刑不当に関する裁判例を徹底的にリサーチして、在留資格を守るために、徹底的な刑事弁護を展開しています。

 

4 最後に

 このように外国人事件の場合は、執行猶予判決では足りない場合が多いのです。

ですから刑事事件に巻き込まれた初期の段階からこのような主張を意識して、在留資格を守るための撤退的な弁護をすべきです。

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