【在日中国人のための刑事弁護ガイド②】 不法就労・資格外活動 「知らなかった」では済まない——退去強制リスクを弁護士と回避する
2026/03/22
【在日中国人のための刑事弁護ガイド②】 不法就労・資格外活動
「知らなかった」では済まない——退去強制リスクを弁護士と回避する
※本記事は法的アドバイスではありません。個別の事件については必ず刑事弁護士にご相談ください。
1. こんな事件が増えています
日本では在留資格の活動範囲外で就労したとして、中国籍の方が入管難民法違反(資格外活動・不法就労助長)の疑いで逮捕されるケースが絶えません。
典型的なパターンとして以下が挙げられます。
- 飲食店・工場で、在留資格が認める業務以外の作業に従事していた
- 留学ビザで許可時間(週28時間)を超えてアルバイトをしていた
- 観光(短期滞在)ビザで就労していた
- 経営者が、在留資格の活動範囲を確認せずに中国人スタッフを雇用した(不法就労助長罪)
「日本の法律を知らなかった」「悪気はなかった」という状況でも逮捕されることが、この種の事件の最大の特徴です。
2. 問われる罪と罰則
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罪名 |
対象者 |
法定刑 |
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資格外活動罪 |
資格外で就労した外国人本人 |
1年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金 |
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不法就労助長罪 |
雇用主・派遣会社等 |
5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(2025年6月改正後) |
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不法残留罪 |
在留期間を超えて滞在 |
3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 |
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不法就労助長罪の過失認定は非常に厳しい 入管法73条の2第2項は「不法就労と知らなかったことを理由として処罰を免れることができない。ただし、過失のないときはこの限りでない」と規定しています。 つまり「知らなかった」は原則免責されず、無過失の立証責任は雇用者側にあります。在留カードの確認・失効照会サービスの活用・業務範囲の定期確認を怠ると、過失ありと認定されます。 さらに退去強制については:2025年の東京高裁判決は「不法就労助長に故意・過失がなくても退去強制事由に該当しうる」と判示しました。不起訴でも退去強制される可能性があります。 |
3. 逮捕後の手続きの流れ
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段階 |
内容 |
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逮捕 |
現行犯または通常逮捕。弁護士以外は接見不可 |
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勾留(最長23日) |
在留期限が迫っている場合は早急な更新申請が必要 |
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起訴または不起訴 |
不起訴で前科なし。入管手続きは別途進行する場合あり |
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入管手続き |
刑事手続きの結果にかかわらず退去強制手続きが始まる場合あり |
4. 弁護活動のポイント
無過失の立証
在留カードを確認した記録・業務内容が資格範囲内であることの確認記録を証拠として整理し、過失なしを主張します。
不起訴獲得の優先
退去強制手続きでは故意・過失が問われないため、刑事手続きでの不起訴獲得が退去強制回避の最も有効な手段です。
在留特別許可の申請準備
退去強制が避けられない場合でも、弁護士が口頭審理に代理人として参加し、在留特別許可を目指します。
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外国人が逮捕されたとき、最初の72時間が勝負です ① 24時間・制限なく接見できるのは弁護士だけ 逮捕直後から起訴・釈放の判断が下されるまでの間、家族・知人は面会できません。弁護士だけが時間制限なく被疑者と接見し、日本語がわからない方には中国語通訳を介して状況を把握・方針を伝えることができます。
② 逮捕直後の初動対応が釈放の可否を決める 逮捕から48時間以内に検察送致、さらに24時間以内に勾留の可否が決まります。この72時間以内に弁護士が積極的に動けば、勾留を阻止して早期釈放につながる可能性があります。動き出しが遅れるほど選択肢が狭まります。
③ 通訳を介した適切なコミュニケーションが有利な処分につながる 日本語で取り調べを受けると、意図せず不利な供述をするリスクがあります。中国語対応の弁護士が同行・アドバイスすることで、取り調べへの適切な対応が可能になり、不起訴・軽い処分獲得の可能性が高まります。 |
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外国人にとって不起訴獲得は在留資格を守る最前線です 窃盗・詐欺・偽造など多くの犯罪で、執行猶予付き判決であっても退去強制事由に該当します。「刑務所に入らなくて済んだ」では終わりません。不起訴処分を獲得すれば前科がつかず、在留資格への影響を最小限に抑えられます。外国人の刑事事件では、不起訴獲得を弁護活動の最優先目標に置く必要があります。 |
◆ 中国人刑事事件の相談は松村大介弁護士へ
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松村大介弁護士(舟渡国際法律事務所)
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本記事は法的アドバイスではありません。個別の事件については刑事弁護士にご相談ください。
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